naraノート:08 二月堂観光の思い出その1
継続は力なりなんて言うけれど、私にその力はあまりなく、せっかく始めたnoteでの活動も絶えて久しい。しかし2014年の夏に、長男と二人で奈良に帰省し、東大寺・二月堂観光に行った時の写真を郷愁とともに眺めていたところ、これを題材に文章を書いてみたくなった。だから、少しばかりnoteに投稿しようと思い立ったのだ。
二月堂。実は私は奈良に20年以上住んでおきながら、二月堂の記憶は一切無い。したがって、2014年の夏に長男と奈良に帰省したときに訪れたのが初めてかもしれない。それも私から行きたいと言い出したのではなく、帰省時に母と叔母が、折角だし奈良観光でもしたら?と提案してくれたのがきっかけだった。それで長男と母と叔母で、運賃100円の「ぐるっとバス」に乗って二月堂観光をすることになった。ただ、帰省時には観光の予定は無かったので、愛用の一眼レフは東京でお留守番。その日はiPhoneで撮る羽目に。
「ぐるっとバス」は東大寺でも停車する。たぶん多くの人は東大寺下車→二月堂ルートを選択するのだろうけど、今回は叔母の提案で手向山八幡・二月堂→東大寺ルートで行くことになった。バスを降りるとまず手向山八幡宮の石鳥居が目に入る。
その先には参道が続き、両脇には樹齢不定の巨木。夏であるにも関わらず辺りは凛とした冷気に包まれていた。
私は厳かな気持ちになりながら、鳥居をくぐる。すると流石に奈良だなと思う生き物に出会う。鹿だ。それも1頭のみ。彼らは基本群れて行動するはずだから、こうやって単独で行動している姿は稀である。1匹狼ならぬ1匹鹿である。
私はそんな鹿を尻目に手向山八幡宮の本殿まで辿り着く。すると母が、「ここはあんたを連れてお宮参りしたとこよ」と教えてくれた。なるほどそんなメモリアルな場所に長男と一緒に来ているのかと思うと、実に感慨深い。
息子は境内を冒険中であり、それに母と叔母が付き添ってくれていたため、私1人本殿を眺めながら過ぎた時間、去りし人々に思いを馳せた。
さて、初っ端から二月堂観光という目的を忘れて道草をしてしまったが、流石に長居するほどの場所ではないため、気がつけば誰ともなく二月堂に向けて再び歩を進めていた。途中何度か鹿の誘惑に遭遇し、更なる道草を余儀なくされそうになったが、何とか誘惑に打ち勝って二月堂に辿り着く。私は二月堂へと続く石段の手前から仰ぎ見た。きっと二月堂から見える奈良の景色は素晴らしいことだろう。たぶんそんな期待を胸に私は石段を上った。
おまけ
何気ない道なのに、
ひょっこり鹿が現れ誘惑してくる。
とりあえずiphoneを最大限近づけて撮ってみた。