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ちょっくら稲刈り行ってきた

8月、先輩が住む下北山村で田んぼの雑草抜きのお手伝いをした。

それから1ヶ月。
涼しい風が心地よくて、秋が来たなーと思いきや、日差しが強くてまだ夏が残ってるなーと感じている日々が続いていた。
そんな時に先輩から稲刈のお誘いを頂いた。

稲刈当日、この日もなんだかまだ蒸し暑くて、真夏のリゾート地に行くかのような真っ青なノースリーブのワンピースを着て家を出た。
一向に秋らしくならない気候から現実逃避するため「稲刈り」という行事を体験することで半ば強制的に秋を自ら感じに行くような感覚を持っていただけに、真っ青なノースリーブのワンピースは違和感極まりないなあと自分で思った。

閑話休題、稲刈に話を戻すと、現地へは2時間ほど危なっかしい車の運転をしてようやく辿り着いた。

もう3〜4回ほど訪れている下北山村。
見慣れた景色も多くなってきて、村内に入ると落ち着く自分がいた。

田んぼに向かうと、下北に住んでる会社の先輩と、その近隣に住む愉快な村民のおじいちゃんおばあちゃん達が既に居て、「やっと来た〜」と迎えてくれた。
いつも思うが、村の人々は初めて会うしかも東京から来たこの素性の知れないやたら声のデカイ若者に、分け隔て無く「普通に」接してくれる。
それが嬉しくて、初めて会う人生の大先輩方についついタメ口でキャッキャと話しかけてしまう。(良いのか悪いのか…)

例のごとく靴下で田んぼへ入り、鎌を片手にせっせと稲を刈っていく。
8月に田んぼへ入った時はまだ水路から水を引いている時期だったので、水気を多く含んだ泥に足が沈んでいった。
その記憶を遡り、下に沈んでいかない足元を見ながら「時は流れるんだなあ」と自然の移ろいをしみじみ感じた。

手動で稲を刈っていたのも束の間、区長さんが持参してくれた稲刈り機が登場。
これが早いのなんの…。
手作業も昔ながらで人間ぽくて好きだけど、この便利さには敵わねえ…。
発明した人は日本の何人の米農家さんのQOIを上げたのだろうか…。(Quality of Inekari)
その功績を称えたくて心の中で手をパチパチ叩いた。

機械からポンッと無造作に放り出される稲束を何個か担いで隣の田んぼへ持って行き、稲束を八の字に広げて柵に掛けていく。

稲を刈り、まとめ、拾い、広げて、柵に掛ける。
この一連の動作をただただ繰り返す。

一見無機質な反復動作に見えるが、稲が直接肌に当たりかゆくなること、蜘蛛やバッタや玉虫みたいな色んな虫を足元に発見すること、手で持ち上げた時稲束が擦れる音、顔の真横で感じる稲の匂いなど、疲れるが色んな五感が刺激されてとても心地の良い愛せる時間だった。

機械を導入したことで、意外にもあっ!という間に終わってしまった稲刈り。

最後に皆様と記念撮影。

いい笑顔。(シモキタァ〜と叫んでいます)

先輩も含め、村の方々は色んなものを「持っていき〜」といつも言ってくれる。
稲刈りの休憩中に蜜柑と揚げあんパンとアイスコーヒーを貰った。

それだけでも十分なのに、稲刈りが終わって帰ろうとしていたら大量のジャガイモとパンと蜜柑と飲み物を持たされた。お土産だと。

稲刈りをさせてもらえただけでも十分なのにそこまで良くしてくれるのかと。
またこれが無償の優しさだと、物を渡す手を通して伝わってくるから、たまらない。
彼ら彼女らの「おすそ分け」の心に毎回脱帽するのだ。
私も何かお分けすることが出来れば…と胸がキュウンと締め付けられる。

また次下北に行くのはいつだろうな〜。
刈ったお米が食べられる時はもう長袖を着ているだろうな〜。
次はどんな村民の方々に会えるかな〜。
と、その時をまた心待ちにしている。

(お米は食べさせてもらえると勝手に思っている)
(先輩、お願いします🤲)

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