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スーパーで「これにも値引きシールを貼ってもらえますか?」と言えるか問題
先日、一人でスーパーへ入ったときのこと。翌日は早めに出かける用事があったため、奥さんから「朝食用にお弁当を買ってきて欲しい」とのオーダーがあり、ついでに晩のおかずとともに購入することになった。
時間は19時50分ごろ。お惣菜売場などを見ると、すでに多くの商品が20%オフの値引きシールが貼られた状態で並んでいた。もちろんそれが目当てで買い物に来ているので、好みのものを買い物かごに入れ、店内の他の売り場へ移動してふっと気づくと……。
先ほどのお惣菜コーナーで、スタッフさんが新たに値引きシールを貼り始めた。時刻を確認すると20時過ぎ。値引き幅が更に大きくなる時間のようだ。
他のお客さんの中には、目をつけていた商品を手に、スタッフさんに「こっちにも貼って」と依頼し、とくに問題もなく貼ってもらった人もいた。
自分自身の買い物かごの中には、20%オフのシールが貼られた商品が5点ほど入っている。スタッフさんに一声かければ、少なくとも30%オフ、ひょっとしたら50%オフになるかもしれない。
さて、どうしよう?
このシチュエーションでどう動くか。
おそらく、性別や年代、居住エリアなどによって違いが出てくるはずだ。
お金に対してとくにシビアであるといわれる、買い物に慣れた関西の主婦たちであれば、まったく迷うこともないのかもしれない。「行くに決まってるやん。どうしようってアホちゃう?」くらいのことは思われるだろう。
後でウチの奥さん(関西人)に聞いてみたところ、「もちろん行く」とのお答えだったので、まぁそういうことだろう。
いや、しかし、これが私(北陸育ちのおっさん)ともなると、ほんと行きづらいのだ。
やはり、一番大きな理由は「“お金に細かい”と思われるのが照れくさい」こと。
50過ぎたおっさんが数百円の差を気にしてることが照れくさくもあり、さらに「行こうかな、どうしようかな」と迷っているのが恥ずかしい。余計な自意識が発動してしまう。
それと同時に、「たかが数百円のために、わざわざ面倒くさい」という意識もあったりもする。100円ショップでハズレ商品をいくつか掴まされた(よくある)みたいなものだと。
もちろん、こんなことを迷っている時点で、人生の無駄なのは理解している。すっと行って「これもお願い」と言うだけで問題は解決するし、数百円も家計が助かるんだから、何を躊躇することがあるのだろう?
ちなみに、以前にネットで “値引きされた商品を購入すること”それ自体を「恥ずかしい」という人がいる という記事が話題になっていた。
【マネーポストWEB】「恥ずかしくないの?」値引きシール商品購入を諌められた人たちのモヤモヤ
これは極端な例だが、その気持もまったく理解できないわけではない。
もし自分の年収が数千万円あり、何不自由なく使える身分であれば、値引き商品などスルーするのかもしれない。それとは逆に、SDGs的な観点から食品廃棄を減らすことを目指して、より積極的に値引き商品を購入していたかもしれない。
世の中にはいろんな人がいるし、いろんな考え方がある。それぞれの立場になってみないとわからないことばかりだ。
で、結局、この日はどうしたかというと、、、、
惣菜売場に戻って、スタッフのお兄さんに向かって、「この商品にも貼ってもらえますか?」と礼儀正しくお願いして、無事にすべて20%オフから50%オフへとランクアップしました!
「そんなこと誰も気にしちゃいないから、好きにすりゃいいやん」ってことは、もちろんわかってるんですよ。でも、自分の中では小さくない変化であって、自宅に戻って真っ先に奥さんに報告したほどでした 笑
別にこれが進歩とも退歩とも思わないけど、以前よりも、ほんの少しだけ生きやすくなったかも。