ゆるブラック

 就業環境は問題ない。むしろストレスが少ない。しかし、将来に向けてのスキルやキャリアの開発が見込めない。こうした職場を若手は「ゆるブラック」と称して辞めていくらしい(9月20日日経)。

 入社のときは、初任給、有休休暇日数などの目に見える定量水準に惹かれて入社する。しかし、入社後は目に見えなかった成長機会の乏しさあるいは遅さに失望するのだろう。上司の多くは同一企業に勤めてきた叩き上げで、若いうちは「雑巾がけ」といったキャリア感が染みついている。こうした上司には「ゆるブラック」問題を理解もできないし解決策も見いだせないのだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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