社外役員の出番

 社外役員としては女性が人気だ。女性ゼロだった企業としてはキャノンの記憶が新しい。超大物御手洗氏の再任は50%ぎりぎりの薄氷だった。いつまでも「数合わせ」批判をしていては自らの地位が危い。

 もうひとつ感じるのは、企業は安い人が好き、ということだ。特にスタンダード以下はそのようだ。安い報酬で取締役会では余計な事を言わずにお行儀よくしている人が一番なのだろう。

 社外役員が役に立つのは平時ではなくて非常時であると思う。不祥事が起きたり、赤字や無配になるような時だ。安かろう悪かろうではないだろうが、そうした出番に機能できなければ社外役員の存在意義は薄い。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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