北海道マラソン W入賞
最悪の状態の2週間前
北海道マラソンの直前2週間前。実はどん底な状態だった。
夏マラソンは、チームとしても初めての挑戦。
手探り状態で6月下旬から準備し始めた。
大井は、名古屋前に痛めた故障がピリッとしない。
清水は、4月の移籍入部以降30km走を一度も完走できていない。
2人とも棄権させた方がいいのではないか?ということが頭によぎり始めた。
選手を信じよう
当チームのメンタルコーチに相談したところ、監督自信が「良いイメージトレーニング」をしたらいい!というアドバイスをもらった。
そこで、寝る直前と起床直後に2人のゴールするところをイメージトレーニングした。
大井は7位入賞でゴールするところ。
清水は笑顔でゴールするところ。
まずは両選手には自信をつけてもらおうと、いろいろ手を打った。
詳しい内容までは書けませんが。
レース前、最後の練習
2人は両極端な結果となった。清水は良かったが、大井はボロボロだった。
大井に関しては、大学2年から見てきているので、かれこれ8年ほどコンビを組んでいる。イメージトレーニングのせいか?大井はスタートラインにさえ立たせれば7位でゴールできる。という根拠のない自信があった。
ここからの数日間、いかに前向きな状態でスタートラインに立たせるか?私の腕の見せどころでした。
ちょうど、そんな時、社長さん達が集まる早朝勉強会でいい言葉を学んだ。
「やりたい」「したい」は、いつまでたってもスタートきれない。「します」「やります」と発してとにかくスタートを切る。言霊の話だった。
それをそのまま両選手に話した。
アクシデント連発な前日
コース試走をするため、レンタカーをホテルの最寄りで借りに行った。
予約満車で借りれず。。。その後、5軒ほど当たるも、全て予約一杯。
これでダメなら諦めようと最後に行った所で、ようやく借りれた。
私はレンタカー借りるために5km弱走った。。。
アクシデントは、まだ続いた。
遠征の際は、事前にどこで食事をするかは、いくつか候補をあげて調べている。
晩御飯は、「うどん」を食べることにしているので、事前に調べたお店へ行った。某グルメサイトで書いている情報が間違っていた。オープン時間が遅くなっていた。仕方がないので、別のお店へ。。。と次から次へと行く店行く店、全て閉まっていた。
かれこれ1時間以上晩御飯難民になり、絶対に開いているであろう某チェーン店の定食屋さんへ行くことに。すぐに入れたものの、マラソンランナーでパンク状態。従業員数がおいついていないのか?注文後1時間以上出てこなかった。食べ終わった頃には21時前。朝4時起きを考えると致命的な時間になっていた。
でも、全て最悪な事態にはなっていない。これもプラスに捉えよう。
レース当日 スタート前
大井はエリート選手待機所、清水は一般選手待機所と場所や招集時間が違い、朝イチで先に集合のある清水と私で先に現地入りした。私は一般待機所には入れないので、スタート1時間以上前に清水見送った。
スペシャルドリンクの受付などしているうちに、大井がエリート待機所に到着。
流石に北海道マラソン。グレードがいつもより高いレースなので、雰囲気に飲まれそうになりながら、冷静を装いながら、他の実業団監督やコーチと談笑して待っていた。
レース中
残念ながら、うちの選手レベルではテレビ中継には映らない。
鉄道で数駅の新川駅付近(往路16km、復路37km)で他チームの監督と一緒に見ることにした。後半気温上昇が予想されるのと、決して状態がいいというわけではなかったので、2人には、例年に比べて気温が低いので上位陣は前半飛ばすはず。25km以降で必ず崩れるはずだから、そこから勝負。安全運転をする様に話していた。
予想通り、前半はハイペースでレースが進んでいた。16kmで見た時は、入賞ラインからはかなり遅れていたが、追いつく自信はあった。
25kmを過ぎ向かい風に変わった所で、予想通り、上位陣が崩れ始めた。
5kmラップで分単位で入賞ラインとは差が詰まる。大井の入賞はこの時点で確信に変わった。37kmを見ると大井のゴールが間に合わない。列車に乗ろうかと思った時に、、ふと、清水にラップを再計算したら、ひょっとしたら、8位入賞に届くかもしれない。男女混合レースということもあり、選手は何位で走っているのかはわかっていない。37kmで情報伝達をしようと作戦を変更した。
清水は、私の前を10位で通過した。「今、10位で8位との差2分弱。前はすでに止まってるから絶対に追いつける!」見るからにスイッチが入った目に変わった。
W入賞
残念ながら、ゴールには間に合わなかった。
iPadのアプリで結果を確認。
大井 2:46:44 7位
清水 2:50:05 8位 自己ベスト
2人に再会した時、涙が自然と出てきた。
NARA-Xアスリーツの環境は決して恵まれてるとは言えない。
そんな中、強豪実業団選手が多く走る北海道マラソンで2人が入賞した。
実業団駅伝に出ていない社会人チームがW入賞したのは史上初。
奈良県出身者も過去に1名しか入賞していない中、奈良県のチーム在籍者が2人も入賞するなど奈良県にとっては快挙。
本当によく頑張ってくれました。
2週間前の状態からしたら、全く予想もできない結果に、選手に感謝しかない。
今回は選手を信じて良かった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?