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「あたしは柴犬のアキ」8

 通学時間のアイドル活動や、家族と遊ぶのも大好きだけど、隣の家のお庭に行ってから、あたしはもっと色んなことを経験したい色んなところを見てみたいという好奇心に駆られるようになった。ちょっと成長したの。

 今日も隣のおばあちゃんがおやつをくれた。今日は回転焼き。ほんとうに美味しかった。隣のおばあちゃんとおじいちゃんは餡子が大好きなのね。回転焼きを食べ終えるとおばあちゃんのお庭に行きたいと吠えてみた。「アキちゃんこっちに来たいの、今日はおじいちゃんがいないからダメなの、脚立が重たくておばあちゃんは動かせないの、おばあちゃんの言っていることわかる」と言った。わかりますとも。おばあちゃん了解です。今日は我慢しますね。おばあちゃんは可哀そうに思ってくれたのか、長い時間あたしに話しかけてくれた。

 残念ね。さあこれからどうしよう。お庭じゃ退屈だしもっとお外に行きたいなぁ。あっ向かいのおばちゃんとモモちゃんだ。ジャーキーを貰って食べた後、モモちゃんに散歩から帰ってきたら、モモちゃんのお家の中でいちばんアキのお家に近い場所まで来てくれない?と言った。モモちゃんは「ワンワンワン」とオッケーしてくれた。
 暫くして「ワンワンワーン」モモちゃんが帰ってきたと吠えてくれた。あたしもお庭の一番モモちゃんのお家に近い場所に移動した。
 「アキちゃんどうしたの」モモちゃんはきいた。あのね一人でこのお家から出て遊びに行くのはどうやれば良いの。「アキちゃん遊びに行きたいのね。そうねぇ ちょっとアキちゃんのお庭見せてね」と言ってモモちゃんはお庭を見廻した。「そうね、塀を乗り越えるのは無理ね。どこか塀の下に穴が掘れるところはない?穴を掘って塀をくぐれば外に出られると思うわ」
さすがお姉さん。そんな考えは思いもつかなかったわ。「でもアキちゃん気をつけてね。特に車にの前に出たらダメよ。電柱に沿って歩くのよ。最初は私とアキちゃんのマーキング地域だけにしておいたら?」モモちゃんは的確なアドバイスをくれた。さぁ穴掘りだ。ヤッホー。

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