社会人③「製品研修」
3週間の工場研修が終わり、ここからは事務職と技術職に分かれて異なる研修がスタートします。技術職は工場に残りそのまま配属先での研修となります。わたしは事務職なので、いよいよ東京に戻って「製品研修」を受けることになります。期間は約1カ月。場所は山手線「大崎」駅の会社保有の研修所。寮は千葉県の真ん中あたり。通勤に2時間くらいかかります(汗)
製品研修では、機械の組立、分解、簡単な修理を学びます。同時に座学も勉強します。工具系を扱うメーカーでしたので、ドリル等が主な製品でした。
組立・分解等はプラモデルが好きな男子なら好きそうなテーマです。実際、同期の中には熱心にやっている者もいました。
しかし、ぼくは違います。手が油まみれになりがら作業したくないし、何より、万が一作業をミスったら怪我しかねないので、正直嫌いでした。
早くスーツ着て高層ビルで働きたい。
こればっかり考えてたしょうもない田舎者新入社員でした。
そんな中、当然、研修所の教官たちは新入社員の作業に目を光らせてます。そこでぼくが出た行動は、「如何にやっている風にしてやり過ごすか」でした(笑)。
特に意識的にやっていた訳ではなく、無意識的にこうなってました。
一歩下がった位置から同期に指示を出す。でも掃除等は積極的にする。なるべく製品は触らない。けど、知識は必要だと思ったので、同期の作業は良く見る。教官が近くに来たら最低限のことはやる。
もう新入社員の段階から今に至るまで、とりあえず要領のよさだけで生きてきてますが、この辺りからその片鱗が伺えます。
研修期間は基本的に定時で終わります。同期ともワイワイして、寮まで帰るだけです。寮に帰ってからは同期の飲み会。特に大きな出来事もなく、1カ月が過ぎて行きました。今から考えるとこの期間は本当に楽しい時間を過ごしたと思います。
研修期間は5月いっぱいで終了です。6月1日からはいよいよ本社出勤になります。いよいよスーツを着て高層ビルで働ける日が来ます。
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