香取神宮の年末詣の出会いには何か意味があると思うのだが、それが何なのかわからない
2023年12月31日、香取神宮へ年末詣をした。
参拝が終わって香取駅に向かおうとしたときだった。てくてくと歩き始めたら、60代くらいの女性に声をかけられた。
たぶんこういう会話だったと思う。
道案内をかって出たものの、GoogleMAPのナビゲーターを立ち上げて、それを見ながら女性と一緒に駅へ向かうことにした。このとき、この女性が本当に30分歩けるのかとても心配だった。そして、この人はどうやって香取神宮にたどり着いたのか不思議だった。来ることができたのに、帰り方が分からないってどういうこと?その気持ちを読み取ったのか、
私は、そうなんですねーと答えた後、暫く沈黙してしまった。これから30分間どうしよう。こういうシチュエーションは苦手だ。何か話さないといけないと思いつつも、何を話したらいいか思いつかない。その女性も同じことを思ったらしく、私に、
私は、またもやそうなんですねーと、にこやかに返事をした。その女性は顔つきはかわいい系で、若いころモテたのだろうと思わせる人だった。困ったことがあったら男性がすぐに手を差し伸べて助けてくれるような感じがした。
そうですか、そうですか。どうせ私はブサイクですよ、自分でなんでもしないといけない人生でしたよ、と心の中で毒づいた。すると今度は、
とたずねてきた。私は、はじめてですと言った。これをきっかけに毒づくのをやめ、足りない脳みそをフル回転させて、次に続く言葉をひねり出した。
すると女性も香取神宮へは初めてだと話した。
オイオイ、悪いことばかり起こったって...まさかその悪いことをここで話し始めないでおくれヨ。初対面でいきなり身の上相談されてもどんな反応したらいいかわからないじゃないか!
ホッ、よかった。人生相談はマヂで無理と思っていたので助かった。日本三大神社の話題なら少し話ができると思って、私は鹿島神宮へ行った時の話をしてみた。あそこも雰囲気がよくて気持ちがいい神社ですよ、行かれたことはありますか?と聞くと
へっ?!なんでダメナンデスカー!
お~、まさかのスピリチュアル系の話?!
そういう話は嫌いじゃないと思って身を乗り出して、そうなんですか?と相槌をうったけれども、話はそこでぷっつりと途切れてしまった。ザンネン。それ以上のネタがなかったようだ。
と、わけの分からない返しをしてしまった。
そこからは、本当にお互いに話すことがなくなってしまい、私はGoogleMAPをみながらあと何分でつきますよ、とカウントダウンしていった。
駅が目の前にみえたとき、あれが駅です、と見ればわかる当たり前のことを言ってしまった。それくらい、何を話したらいいかわからなかったのだ。
駅に着いてからは、スマホで帰りの電車の時間を検索した。私の電車はおよそ50分後だった。私は、マジかと心の声が漏れてしまった。すると、その女性も私と同じ状況だったようで、どうしようかしらとつぶやいていた。私は、早々にあきらめて改札前のベンチに座って、持ってきたiPadで読書することにした。その女性はだいぶ長い間スマホと時刻表を見ながら、ブツブツひとりごとを言って悩んでいる様子だった。助け舟を出そうかと思ったが、自分で経路を調べている雰囲気だったし、本当に困っていたら話しかけてくるだろうと思って、読書に集中した。読書をしていたらあっという間に時間が過ぎ、電車の到着時間の10分前になっていた。私は、改札を抜けてホームに立った。その女性も私と同じように改札を抜け、ホームに立った。私は、ずっと座っていて凝り固まった体をんーっと両手を伸ばしてほぐしていた。このとき、その女性が誰かに似ていると思った。えーっと、誰だっけ?????
そうだ!日活ロマンポルノ出身の白川和子だ!
え?!まさか、本人じゃないよね?とドキドキしていたら、その女性が私に近づいてきた。
私は両手をブンブンふって、いえいえそんな、これも何かのご縁です、と言いながら、その顔をじっと見てしまった。そして、女性が私から離れた瞬間スマホで「白川和子」を検索してみた。似ているけど違う。その女性は、白川和子より若かったし、柔らかい雰囲気だった。
帰りの電車は、車窓から流れるのどかな田舎の風景をボケーっと眺めながら、この出会いはいったい何だったのだろうと考えてみた。香取の経津主の神様が、困った人を助けてあげなさいというメッセージだったのだろうか。それとも、神様にたくさんの出会いがありますようにとお祈りしたことが、早速叶ったのだろうか。それとも、白川和子がキーワードなって、これから何か起こるのだろうか。きっとこの出会いには何か意味があるに違いないと思うのだが、今は閃かない。しばらく時間が経って、あのときのあれはこういうことだったと気づくのかもしれない。
とりあえず、2024年はその女性にとっていい年になるとよいナ。