データで見るラフマニノフ作品の調性
はじめに:「データで見る」とは?
クラシック音楽についてデータで分析してみようという試み。前回はラフマニノフの生涯だった。
今回はラフマニノフの作曲した全作品の調性を見ていく。
今回のデータ
データはIMSLPから取得し、作品番号(Op.)付きのものとそうでないものを分けてカウントした。
グラフの表示は、五度圏の並びにしたがって円グラフで示す。
カウントのルール
交響曲や協奏曲など楽章で分かれているものは、楽章ごとに分けてカウント
変奏曲などはその曲中の変奏に何調が出てくるかをカウント
Prelude No.10のG♭ majorは、上記の五度圏の表示に合わせてF♯ majorとしてカウント
このカウント方法にも議論が残るが、ひとまずこれで進める。
ラフマニノフ全作品の調性
全作品の調性のカウント
以下に全作品の調性のカウントを、長調と短調に分けて表示する。
作品番号付きの作品を緑色、
作品番号無しの作品を灰色 で示す。
グラフの表示は、作品番号付きのカウントを表示し、それに作品番号無しの作品のカウントを積み上げて表示している。
(例えばC majorなら、作品番号付きが11回、作品番号無しが3回の合計14回というカウントになる。)
最も目立つのは、ニ短調だろう。例えば、ピアノ協奏曲第3番は全楽章がニ短調から始まる。ラフマニノフにとって、作曲家として作曲しやすい調だったのか、ピアニストとして弾きやすい調だったのか。初期の作品番号が付く前の作品(例えば、ユース・シンフォニーなど)から使われているので、何か特別な思いがあったのかもしれない。これに関係してか、同主調のニ長調も比較的多く見られる。
長調・短調の年ごとの変化
特に年代による大きな偏りは無い。
これから書くもの
ラフマニノフの全作品のジャンル分類
他の作曲家にも展開