「なんで先生なんてなったんですか?」
昔の文章の投稿もよいのだが、今の自分で書けることもあるので、それをくわえながら進んでみたいと思う。そしてそれを書き溜めてやはり1冊の本にしたい。このタイミングでやることに意味がある気がしている。やるぞ!
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はてさて、そんなこんなで、1年目の俺の教師生活はとにかく大変だった。特に前半。職員室に初めて入るなり、先生たちの机の上には俺の記事が出ている朝日新聞の切り抜きが置かれ、「新しく教育を変える仕組み」的な(覚えてないんだけど)題字が出ている。そして俺が前に立っている。そりゃあ、誰が考えたってスーパー先生が来ると思う。なんなら、自分たちの何を修正されるんだろう、とビビる人がいてもおかしくない(あとできいたら文科省のスパイだと思っていたという先生もいた、こっちからしたら笑い話だけど、向こうからしたら気が気じゃないだろうなと思う)。だがしかし残念ながら真実は、小学生を一度も教えたことのない、ロクに現場も知らない25歳のただの若者なわけである。しかもちょっと偉そうな登場という尾ひれつき。最悪。
俺のいた学校はしんどい子が多い、という前触れだった。ぶっちゃけ、俺はその学校でしか先生をやったことがないので、よくわからなかった。というか、今でもよくわからない。しんどい、とは一体なんなのか。これはついてはまたあとで書きます。まぁとにかく何が言いたいかというと、その「しんどい学校」にきている、と先生たちも思っているもので、結構ストレスを感じてる先生は多かったように見えた。ていうか、ちょっとオブラートに包んで言ってるけど、もうちょっとハードな側面もあった。
俺が、出勤し始めて2〜3日後、同じ学年になった先生に誘われて校区の見回りに行った。その先生は俺と同い年、つまり25の年で、その先生と学校を出た瞬間俺が言われたのは「なんで先生なんてなったんですか?」という質問だった。そのあとに続いたのは「楽天にいた方が絶対よかったのに」という言葉だった。これは、楽天っていい会社ですよね、という方向の話というよりも「なんでこんな職業ついちゃったんですか」という方向の話である。俺はショックを受けた。
なんでこんな俺と年の変わらない人が、こんなことを言うんだろう、先生をやっていたこの3年間の間の一体何がこの人をそうさせてしまったんだろう、そう思うといろんな思いがこみあげた。もちろんそこで突っ込んだ話もできず、まぁまぁな、なんとなくな話をしながらその場は過ぎ去った。でも、ここでの出来事が、自分がかつてhomeroomという教育者の交流会をしていたときの思いと不思議と繋がるものがあったのであった。