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10年先も愛されるホテルをつくりたい

いつも私はHOTEL SHE, KYOTOで働きながら、自社ホテルの企画だったり施策のPM(プロジェクトマネジメント)のお仕事をしているのですが、他社ホテル様のコンサルティングやブランディングのお仕事をさせて頂くこともあります。

もともとクリエイションという行為がとても好きで、その上ホテルオタクの自分にとってはまさに天職のようなお仕事。

今回のプロジェクトは岡山県・倉敷市にある老舗温泉旅館 ホテルやま幸さんからのご依頼で、次の世代も見越した「10年先も愛されるホテルを作って欲しい」というものでした。


昭和レトロなノスタルジックホテル

ホテルやま幸さんは倉敷市郊外にたたずむ昭和の風情漂う和洋館。 天然温泉の日帰り施設を併設し、吹き抜けのあるエントランスホールには南国風の木が植えられ、その和やかな雰囲気が特徴的です。

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館内に敷かれた赤色の絨毯を歩くと、幼い頃のおぼろげな記憶の中にある”どこかの街の観光ホテル”を思い出します。

そんな哀愁漂う温泉ホテルは地元のお客様に30年近く愛されており、これからも末永く愛されるためにホテルフロアのリニューアルを決意されました。


いつかの思い出がよぎる、ノスタルジックな空気感

初めてホテルやま幸さんを訪れた時によぎった、”どこかの街の観光ホテル”の思い出。それは誰もが記憶の奥底にしまいこんでいるけど決して風化せずに、ふとした匂いや手触り、懐かしいメロディとともに顔を出します。

そんな記憶の引き出しを開けるようなきっかけが、この空間にはたくさん漂っているなぁとぼんやりと感じました。

そんなノスタルジックな空気感をしっかり残した上で、さらに10年先まで愛されるような、『クラシカルな新しさ』をテーマに空間・サービスをリブランディングさせていただきました。

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(当時の企画書の一部。スケッチはSHE, OSAKAに勤めていたクリエイティブディレクターが描いてくれました。クライアント様にも許可を頂き掲載しております。)


岡山 / 倉敷を感じられる「ニューホテルやま幸」に

施工は地元岡山県の建築会社さまが担当され、実際に生まれ変わった「ニューホテルやま幸」を見たのは今年の3月中旬。館内の撮影やWEB制作のご相談も頂いていたので、胸を躍らせながら岡山駅に向かいました。

ここからは地元岡山在住のカメラマンまほぉさんの写真とともに、素敵な館内&サービスをご紹介します。モデルは東京在住のなほこさんです。


客室
モスグリーンまたはモスレッドを基調とした落ち着きのある空間に。

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館内
ホテル内は全館絨毯張りなので裸足でリラックスして歩くことができます。

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ドライフルーツティー
晴れの国と呼ばれる岡山のフルーツを使ったドライフルーツティーをどうぞ。

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シャンプーバー
宿泊者限定で利用できるシャンプーバーでお風呂をより楽しむことができます。(※シャンプーの銘柄は時期により変更になる場合があります)

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その他の館内施設
今回L&Gでは関わっていませんが、レトロな天然温泉や湯上りにぴったりのライブラリー、魚介が美味しいお食事処(コスパが最高!)も。

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その地でしか得られない宿泊体験を

以前こちらのnoteでも書かせて頂きましたが、ホテルってただ宿泊するだけの箱ではなく、一つの観光地のように「その地でしかできない体験の場」になればとっても素敵だなぁと思っています。

旅行者はわざわざ高い交通費を払い、長時間の移動を経て、そのホテルに辿り着きます。もちろんラグジュアリーなロビーやふかふかのベッド、完璧な言葉遣いの接客、めちゃくちゃ素敵です。でも僕は青森に行ったら津軽弁を聞きたいし、大阪に行ったら関西弁で突っ込んで欲しいと思ってしまいます。せっかくその地に来たのなら、グランドピアノよりも三味線の音色の方が思い出にも残るし、なんなら接客一旦いいから一緒に民謡で踊ろうよ!くらいの方が気持ちがいいと思ってしまいます。(これは人それぞれだと思いますが 笑 )

今回のホテルやま幸さんの場合は、「ノスタルジックな空気感」そして「岡山県(倉敷)」が ”その地でしか得られない体験” になるので、クラシックな客室の内装やドライフルーツティーのサービスが生まれました。

これってあくまでプラスアルファのサービス(メインサービスはもちろん宿泊や入浴)なので、ホテル事業者的にはそこまで重要じゃない気がするかもしれません。ですが、今後団体旅行が少なくり、大手旅行代理店ではなく個人でホテルを探すようになるなど、旅のあり方が変わった時、とても重要な生命線になる気がしています。

そして今は多くの旅が制限され、ホテルの利用者も急激に落ちています。それは同時に、潜在的な旅行欲が強まっている時期でもあり、コロナが収束したタイミングで「旅のあり方」は大きく変化すると思っています。それこそ、10年後も愛されるホテルというのは、これまで愛されてきたホテルとはまったく違った形になっているかもしれません。


最後に

改めて自分はホテルめっちゃ好きなんだな〜と思ったんですが、それでももう少しだけ我慢をして、部屋に引きこもりながら「いつか行きたいホテル探し」をやろうと思っています。(ですので、ホテルやま幸さんにも安全に旅ができるようになったタイミングで遊びに行って頂けると嬉しく思います。)

このnoteを読んでくださっている方のほとんどは旅やホテルのことが大好きな方だと思いますが、今はインターネットで妄想旅行して、いつの日かこの苦しい時期の分まで目一杯旅に出ましょう。




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※本記事は瀬戸大橋温泉 やま幸さま許諾のもと執筆をおこなっております🔎
※本記事掲載の写真は2020年3月に撮影をおこないました📸


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