花岡 直弥 / Naoya Hanaoka

泊まれる演劇 クリエイティブディレクター / プロデューサー https://lit.link/naoyahanaoka

花岡 直弥 / Naoya Hanaoka

泊まれる演劇 クリエイティブディレクター / プロデューサー https://lit.link/naoyahanaoka

最近の記事

4周年を迎えて

4年前の今日を振り返れば、お客さんとも直接会えず、一緒に作品を作っている仲間たちともzoom越し。そこから少しずつ、お客さんがホテルに来て下さるようになって、マスクも外せるようになって。今年はみんなで叫んだり、グータッチしたり。やっぱりリアルな体験、とりわけダイレクトに人肌まで感じれちゃうイマーシブエンタメやっぱ好きだなぁって、改めてそう思えた一年でした。 もちろん日々新しい感染症が生まれ、何が起こっても変じゃない世界で生きてるわけですけど、それでも2024年は確かな日常を

    • イマーシブシアターの体験価値を考える

      今年の1月に『2024年、イマーシブ元年がやってくる』というnoteを公開したのですが、各方面から想像以上のご反響をいただきました。 「そもそもイマーシブ体験ってなに?」というお話からはじまり、 などなど、これまで5年間の私の実務経験(イマーシブエンターテイメント「泊まれる演劇」)を通して考えて参りました仮説に対し、マーケティング的観点も交えつつ、大きく7つのポイントに分けて言語化をしていました。 考えを言語化する難しさを実感しつつも、文字にすることで初めて考えが整理さ

      • 2024年、イマーシブ元年がやってくる!   押さえるべき7つのポイント

        突然ですが皆さんは”イマーシブ(IMMERSIVE)”という言葉を聞いたことがありますか? 日本語訳だと「没入」という意味で、最近はかなりポピュラーな言葉になってきました。中でもイマーシブ型アートやイマーシブシアターなどが有名かもしれません。従来【展示⇄鑑賞】【舞台⇄座席】が一般的だったアートや舞台を、全く異なる消費者体験へと変えてしまう新概念です。 ちょうど4年前に「イマーシブシアターってなんぞや?」というnoteを書いたことがあるのですが、当時はGoogleで”イマーシ

        • TOKYO 2020の開会式を見て泣きそうになった

          2013年の9月、56年ぶりのオリンピックは自分たちの国で開催することが決まって、普段はスポーツも一切観ない自分でさえ、この街の未来が大きく変わる予感がして、胸を踊らせた。生きているうちに東京でオリンピックが開催されることは二度とないんだから、開催年までは東京で仕事をして、なんなら少しでも国の未来に関わるような仕事をしたいと、心の底から震えた。 そんな僅かな希望を胸に東京のクリエイティブを扱う会社に就職して、でも自分よりも圧倒的に凄い人たちがたくさんいて、半ば諦めるように業

          淀みのない青の芸術|ベネッセアートサイト直島

          (この記事は私が務めるL&G Global Business社内共有用のレポートを一般公開したものです。) ベネッセアートサイト直島 瀬戸内の島々を舞台に3年に一度開催される国内最大級のアートフェスティバル「瀬戸内国際芸術祭」。そのメイン会場となる直島に常設されている“泊まれる美術館“がベネッセハウスです。 「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館。 敷地内に「ミュージアム」「オーバル」「パーク」「ビーチ」の宿泊棟4

          淀みのない青の芸術|ベネッセアートサイト直島

          現代アートに泊まる| BnA Alter Museum

          ここ2年、ホテルの箱としての可能性を強く感じてきました。 寝るためのベッドとシャワーが最低限あればホテルのインフラとして機能はするけれど、レストランがただ食事を楽しむだけでなく夜景を楽しんだり交流の場として重宝されているように、ホテルもインフラを超えて”体験”の空間として成立するのでは...と思っています。 そんな中で、同じようなビジョンを持って運営されているホテルが京都にあると知って前から気になっていたのですが、有難いことに今回支配人の方にご招待頂いたので宿泊してきまし

          現代アートに泊まる| BnA Alter Museum

          エンターテイメントの灯は消えない

          5月以来のnoteになります。 京都の猛暑の夏を終えて、ふと気づくと夜風が超気持ちいい。 いきなりですがこの3ヶ月間、僕は『泊まれる演劇』というホテルを舞台にした作品を作り続けていました。 そう、名前の通り演劇作品。もしかすると、演劇という言葉を聞くだけで拒否反応を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、僕はこのコロナ禍の中でずっと演劇作品を作っていました。 再演を含めると5月〜8月の間に5作品。たった6日間で終わる短い作品から、1ヶ月半に渡るロングラン作品まで。全部め

          エンターテイメントの灯は消えない

          ホテルと自由なナイトカルチャー

          全国各地での緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻りつつあるように見えます。 HOTEL SHE, KYOTOも6月より再スタートを切りますが、夏の京都を彩る数々のナイトイベントは中止を余儀なくされ、祇園祭りや五山の送り火、鴨川の納涼床もいつ始まるのか未定な状態です。 海外からのお客さまが当面戻ってこないことが確定している中で、国内旅行需要がもし増えたとしても、そこで京都が選ばれる理由は残念ながらほとんどありません。 そもそもこれまでホテル産業は、その地の歴史的・文化

          ホテルと自由なナイトカルチャー

          10年先も愛されるホテルをつくりたい

          いつも私はHOTEL SHE, KYOTOで働きながら、自社ホテルの企画だったり施策のPM(プロジェクトマネジメント)のお仕事をしているのですが、他社ホテル様のコンサルティングやブランディングのお仕事をさせて頂くこともあります。 もともとクリエイションという行為がとても好きで、その上ホテルオタクの自分にとってはまさに天職のようなお仕事。 今回のプロジェクトは岡山県・倉敷市にある老舗温泉旅館 ホテルやま幸さんからのご依頼で、次の世代も見越した「10年先も愛されるホテルを作っ

          10年先も愛されるホテルをつくりたい

          新世界におけるホテルの提供価値

          私が働くHOTEL SHE, KYOTOがクローズして、早1ヶ月が経ちました。 当初は4月24日までが休館予定でしたが、現在は5月末まで延長。正直、この先もいつまでクローズ期間が続くかわかりません。 緊急事態宣言が解除されたとしても、すぐに旅行客が戻ってくる保証は1ミリもなく、ましてやインバウンド需要は少なく見積もっても1〜2年は苦しい状況が続くでしょう。 全国展開していた大手ホテルチェーンが経営破綻したというニュースからもわかる通り、ホテルを含むサービス業はこれまでに

          新世界におけるホテルの提供価値

          今こそ、言葉の力が求められている

          職場であるHOTEL SHE, KYOTOがクローズして早3日、そしてここ半年に渡って進めていた「泊まれる演劇」のプロジェクトも無期限の延期となって、これまで握りしめていた情熱をどこに傾けていいのかわからず、高速道路から急に下道に降りたような日常を過ごしています。 Twitterを眺めていても、ニュースを見ていても、悲しい話題か政府批判の声しか聞こえてこなくて、ネガティブを産むようなことをわざわざ言いたくないのでぼんやりスマホの画面を眺める時間も増えました。 そんな中でも

          今こそ、言葉の力が求められている

          HOTEL SHE, KYOTOがクローズになった話

          私が働いてるHOTEL SHE, KYOTOが新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、4月6日から4月24日(予定)まで臨時休業することが決まりました。 1ヶ月前まで、いや1週間前まではこのような事態になるなんて正直全く考えていませんでした。まさに自分の思慮の浅さに他ならない訳ですが、今の心境を忘れない為にも、いつの日か「あんな時もあったな〜」とウイルスに中指立てながら思い出す為にも、しっかりと記しておきたいと思います。 ※ここに書かれているものはHOTEL SHE,や

          HOTEL SHE, KYOTOがクローズになった話

          素敵なホテルに共通する3つのこと

          こんにちは。 HOTEL SHE, KYOTOでプロジェクトマネージャーを務めている花岡です。 趣味でホテル紹介botをやっておりまして、昨年末から始めたんですが、今では本当に多くの方に見て頂いているようで嬉しい限りです。ずっと連絡とってない友人から「Twitterで見たよ!」と連絡が来ることもあり、(副産物的にではありますが)リアルな日常にも好影響があるのでTwitterやってて良かったなぁと思います。 さて、今日の本題はホテル紹介botをやる中で気づいた「素敵なホテ

          素敵なホテルに共通する3つのこと

          ホテル空間のメディアとしての可能性(ジェームズ・タレル|光の館)

          (この記事は私が務めるL&G Global Business社内共有用のレポートを一般公開したものです。長いです。) 先日新潟県の山奥にある宿泊施設:光の館に宿泊してきました。 この施設は単なるホテルではなく、建物一棟をアメリカの現代美術家ジェームズ・タレル氏が丸ごとプロデュースしたもの。 公式WEBサイトの説明文には下記のように記載されています。 光の館 谷崎潤一郎の「陰影礼賛」にインスピレーションを得て、ジェームズ・タレルが大地の芸術祭 越後妻有アート・トリエンナー

          ホテル空間のメディアとしての可能性(ジェームズ・タレル|光の館)

          そもそもイマーシブシアターってなに?

          こんにちは、HOTEL SHE, KYOTOの花岡です。泊まれる演劇というホテルを舞台にしたイマーシブシアター のプロジェクトで企画・プロデュースを務めています。 先日関西の劇団や演劇関係の方が多く集まる場所に行ってきました。 そこで「今度うちのホテルでイマーシブシアター やるんですよ!」って話をしたんですが、ほぼ全員から???という顔をされ、思った以上にイマーシブシアターという概念が浸透していないんだな...と実感しました。 そこで今日は ”そもそもイマーシブシアター

          そもそもイマーシブシアターってなに?

          泊まれる演劇|MIDNIGHT MOTELの開催が決定しました。

          こんばんは。 HOTEL SHE, KYOTOの花岡です。 前回のnoteでのリリースから幾分時間が経ってしまいましたが、遂に先日泊まれるHOTEL SHE, KYOTO主催の宿泊型イマーシブシアター「泊まれる演劇」の開催日程が発表になりました! 作品タイトルは『MIDNIGHT MOTEL』。 開催期間だけはそこはHOTEL SHE, KYOTOではなく、“とある架空のモーテル”に生まれ変わり、お客様を美しくも怪しい夜に誘います。併せて発表になりました作品の制作ビジョ

          泊まれる演劇|MIDNIGHT MOTELの開催が決定しました。