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素敵なホテルに共通する3つのこと
こんにちは。
HOTEL SHE, KYOTOでプロジェクトマネージャーを務めている花岡です。
趣味でホテル紹介botをやっておりまして、昨年末から始めたんですが、今では本当に多くの方に見て頂いているようで嬉しい限りです。ずっと連絡とってない友人から「Twitterで見たよ!」と連絡が来ることもあり、(副産物的にではありますが)リアルな日常にも好影響があるのでTwitterやってて良かったなぁと思います。
さて、今日の本題はホテル紹介botをやる中で気づいた「素敵なホテルに共通すること」を、あくまで一個人の意見として記したいと思います。
目次はこちら。(本題だけ知りたい方は「素敵なホテルに共通する3つのこと」からお読み下さい。)
"素敵"の定義
本題の前に、まず”素敵なホテル”の定義についてお話させてください。
世の中にはリゾートホテルやビジネスホテル、ラグジュアリーホテル、最近だとライフスタイルホテルや分散型ホテルなど、様々な特徴を持ったホテルが存在します。
もちろん『駅直結!一泊5,000円(朝食付き)』という謳い文句の、いわゆる大型チェーンホテルも素敵だと思うのです。実際に自分もホテル業界で働く前まではこういったホテルを頻繁に利用していました。
ですが、京都のブティックホテルで働き始め、ホテルの素晴らしさに気づいた一ホテルマンとしてこのように定義させてください。
素敵なホテル=旅の目的地にしたいホテル
Twitterの紹介botコンセプトも『旅の目的地にしたい素敵なホテルを紹介します』で統一しています。
理由は色々ありますが、その一つは今後の観光・宿泊業界の移り変わりを考えた時に、ホテルは”ただベッドやバスルームがあるインフラ機能”としてではなく、旅の観光地の一つとして選ばれていくだろう思っているからです。
もう少し掘り下げると、ホテル中心で旅をすることは、旅の選択肢を広げることにも繋がると考えています。
ホテル中心に旅するメリットって、宿が旅の合格点とってればあとはローカルなお店に無計画で入ったりしても許せるとこで、結果的に選択肢が増えたり予定不調な出会いがあったりしてハッピーになれるとこ!
— naoya hanaoka / HOTEL SHE, (@naoya_hanaoka) January 27, 2020
だからガイドブック買うよりこのモーメント見た方がいいよ笑(宣伝) https://t.co/8KerSRQgTk
素敵なホテル選びは、素敵な旅選び、そのものなのです。
世界中のホテルを行ってないけど紹介しています
たまに「めっちゃホテル行きまくってますよね?仕事してないんですか??」って言われることがありますが、もちろん仕事はしています。逆にホテルに全然行ってません(笑)
恐らく紹介している施設の中で行ったことあるのは2割程度で、それ以外は周りの方の口コミやネット/雑誌などを見て、『発見→詳細リサーチ→紹介』をひたすら繰り返しています。なので「どうやったら素敵なホテルばっかり探せるんですか?」と聞かれても、「気合いと根性です」としか答えられません。
じゃあどうして行ってもないし直近で行くわけでもないのに紹介botやってるのかと言うと、理由の1つ目は自らの勉強のためです。私は昨年の6月にHOTEL SHE, KYOTOで働き出したばかりで、それまでは東京の広告会社でWEBのディレクターをしていました。つまり業界的には全くの素人で、ホテルも星野リゾートくらいしか知らないかったくらいです。そんな状態だったのでまずは国内外問わずホテルインプットを高めて、自分たちのホテルに還元しようと考えました。(このインプットで得た学びを後ほど紹介します)
理由の2つ目、これこそが個人的なインプットをTwitterで広く発信している理由ですが、昨今のホテル戦国時代においてホテル同士で競い合うのももちろん大切ですが、そもそも「ホテル目当てで旅行する」層が増えた方が、長期的に考えると合理的だからです。おそらくこのnoteを読んでくださってるほとんどの方がホテル業界の方ではないと思います。そんな中でも「花岡さんのツイートを見てXXXホテルに泊まりに行きました!」と報告いただくことが増えましたが、その方はもしかするとXXXホテルを知らなかったら、その旅行自体に行っていなかったかもしれない。今は限られた人数だと思いますが、もしこの流れがムーブメント化すれば、ホテルで働く私たちにとっても間違いなくメリットとなるはずです。
素敵なホテルに共通する3つのこと
ようやく本題ですが、これまで国内外多くのホテルをリサーチし、その中でも「ここは本当に行ってみたい!」と思ったホテルを紹介してきました。皆さんにご紹介しているホテルは”素敵なホテル”ばかりですが、その裏では「このホテルめちゃくちゃ良いんだけど、あと○○○があればなぁ...」と思ってしまった(偉そうにすみません)ホテルが数多くあります。
その○○○の中でも、ここは素敵だ!と感じたホテルであれば、ほぼ全てのホテルに備わっていた3つの要素を記したいと思います。
その前にこれまで紹介してきた数多のホテルの中で、個人的に本当に行きたい3施設を改めてご紹介させてください。
①ランプの宿 青荷温泉(日本・青森県)
今一番行きたい温泉旅館、青森県のランプの宿 青荷温泉。
— naoya hanaoka / HOTEL SHE, (@naoya_hanaoka) January 31, 2020
館内すべてが灯油ランプの明かりだけで照らされてて、ランプ灯のもと温泉に入って、郷土料理を頂き、津軽三味線の演奏を聴けるそう。
電気もスマホの電波もないけど、凛とした静寂のある和製ロマンチック宿。しかも2食付きで1人1万円〜とは🥺 pic.twitter.com/zlVb8FS1lW
②街のねどこ Kinsui(日本・兵庫県)
兵庫県・城崎温泉にある老舗旅館の別館として2018年にオープンした「街のねどこ Kinsui」。
— naoya hanaoka / HOTEL SHE, (@naoya_hanaoka) February 24, 2020
外湯巡りが有名な温泉街という特性を活かして、ホテル内にお風呂はなく、代わりに湯巡りパスポートが無料でもらえる♨️
一人5000円〜で泊まれるまさにLCC温泉旅館。お部屋も素敵やし、令和感あって良い...🥺 pic.twitter.com/Vl02SY7483
③Al Seef Hotel(アラブ首長国連邦・ドバイ)
ドバイにある2018年オープンのAl Seef Hotel。
— naoya hanaoka / HOTEL SHE, (@naoya_hanaoka) February 22, 2020
広大な敷地に100年前の港町が再現されていて、ホテル内にはシーシャカフェや市場まであるそう。
運河から渡し舟でホテルエリアに入ったら、まるで迷路のような街並みが広がる。まさにアラビアンナイトの世界🐪🌴
しかも一室1万円以下で泊まれるそう…🥺 pic.twitter.com/TeUCaHxxGJ
実際にこれらのホテルのインプレッション数は他ツイートよりも高く、何より引用リツイートがかなり多かったことが印象的です。引用リツイートが多いと、実際にそれを見たユーザーが動き出している傾向が高く(例えばフォロワーの友人をタイムライン上で誘っているなど)、世の中的にも「本当に行ってみたい!」と思われている施設なのではないでしょうか。
これら3施設をヒントに、私個人が考える「素敵なホテルに共通する3つのこと」を紹介していこうと思います。
その地に根ざしたストーリーが感じられる
旅行者はわざわざ高い交通費を払い、長時間の移動を経て、そのホテルに辿り着きます。もちろんラグジュアリーなロビーやふかふかのベッド、完璧な言葉遣いの接客、めちゃくちゃ素敵です。でも僕は青森に行ったら津軽弁を聞きたいし、大阪に行ったら関西弁で突っ込んで欲しいと思ってしまいます。せっかくその地に来たのなら、グランドピアノよりも三味線の音色の方が思い出にも残るし、なんなら接客一旦いいから一緒に民謡で踊ろうよ!くらいの方が気持ちがいいと思ってしまいます。(これは人それぞれだと思いますが 笑 )
ホテルと聞くと、ピシッとしたスーツで礼儀正しく、というイメージが先行してしまいがちですが、個人的には別の角度のホスピタリティもあっていいと思っています。ちなみにHOTEL SHE, KYOTOではみんな関西弁で接客して、たまにお客さんに突っ込んでいるのを見かけます(そのまま何故かTwitterで繋がっている社員もいます 笑)
宿泊プラスアルファの体験がある
新宿駅とか駅構内の通路で壁面を使ったイベントをしているのを見かけるとよくこう思います。「二次元的な壁だけであれだけ面白いんだから、四次元(空間×長時間滞在)のホテルだと体験の可能性は無限大なはず...!」
これは広告会社にいたゆえの考えかもしれませんが、ホテル空間の可能性は本当に無限大、しかも街や地域と繋がることもできるので、たとえ予算や人的リソースがなくても、アイデアさえあればお客様に最高の体験を提供できるはずです。
ランプの宿 青荷温泉さんでは館内の全ての灯りが灯油ランプだけで、しかも携帯の電波も通じない。機能面ではマイナスかもしれませんが、その代わり都市では絶対に生まれ得ない「静寂」と「暗闇」を体験できます。
街のねどこさんの湯巡りパスポートも革新的なアイデアで、高級老舗旅館だとついつい館内だけに留まってしまいますが、「城崎温泉は他の宿屋さんのお風呂も最高だよ!そのあと夜風に当たりながらソーダ飲みながら散歩してみて!」というのを体験ベースで設計されています。
よく「○○○ホテル、リニューアルオープン」ってリリースを見かけますが、たとえ設備投資をしなくてもお客様に思い出に残るような体験は提供できるはずだし、突き詰めたアイデアの方がこれまでにない宿泊体験を生むと考えています。
環境演出の素晴らしさ
お客様は何故ホテルに泊まるのか、ビジネス利用は今回抜きで考えると、おおよそ”旅での非日常”を求めているからではないでしょうか。
つまりホテル空間だけでなく、予約時からチェックイン、滞在時間、チェックアウトまで少しでも非日常を演出することが、お客様にとって最高の体験をお届けすることに直結します。
ドバイのAl Seef Hotelでは、チェックインの前からアラビアンナイトの世界がはじまっています。向かいの岸から船で渡り、ホテルの敷地内に入ると迷路のような街並み。「100年目の港町」という徹底したコンセプトがあるからこそ、世界観演出にブレがなく、その結果お客様は千夜一夜物語の主人公になったような気持ちになれるのです。
もちろんこれは突出した例で、全てのホテルがお客様を船でお迎えできる訳ではありません。ですが、「チェックイン前や客室以外でも非日常な演出を作る」と考えれば、例えば予約完了メールの文面を工夫するとか、館内のBGMを季節や時間によって変えるとか、大きなコストや手間をかけなくても環境演出は可能です。
最後に
読み返してみると、かなりホテル好きに寄ったマニアックな内容になってしまったなぁと反省しています。ですが、僕のフォロワーさんはホテル好きが多いと勝手に信じていますし、中には宿泊業界で働かれている方もいらっしゃるはずなので、もしこのnoteが素敵なホテルライフの一助になれば幸いです。
是非併せてこちらもご覧ください。素敵なホテルを一覧とGoogle Mapで紹介しています。
最後に宣伝させてください!
私はいつも、HOTEL SHE, KYOTOに来ていただくお客様にどんな宿泊体験を作れば喜んでもらえるか、どうすればHOTEL SHE, が旅の目的地となるホテルになるか結構真面目に考えています。
その一つの答えとして、6月の初夏の時期に、HOTEL SHE, KYOTOを数日間貸切にしてとあるイベントを行います。
<<泊まれる演劇>>
お客様には物語の一役となって頂き、真夜中のホテルを彷徨い歩きながら、幻想的な一夜をお過ごし頂きます。詳細は公式サイトよりどうぞ。
自分なりに今回のnoteで紹介した3ポイントをこれでもか!と言うくらいに詰め込んでいますし、演劇やホテル好きでない方にも間違いなく感動頂ける作品(宿泊体験)となっています。
明後日3月16日(月)23:59までチケットの抽選予約を受け付けておりますので、是非遊びにきて頂けると嬉しいです。