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セン君と僕のこと④

2022年11月17日、僕たちは地域猫(のら猫)を保護しました。男の子で、名前は「セン君」としました。(タイトル上の写真がセン君です。)

ここではセン君と僕の出会いから別れを綴っていこうと思います。今日はその第4回です。

Chapter 4 リリースか?保護か?

セン君を捕獲した翌日、2022年11月18日(金)。僕はセン君をお医者さんに連れて行くことにしました。しかし、セン君は「つかまりたくない!!」と、大暴れ。ケージからジャンプして逃げ出して、家中を駆け回りました。食器棚のお皿や鍋をひっくり返し、出窓の花瓶をなぎ倒して逃げ惑うセン君。30分くらい格闘した末に、何とか洗濯ネットに収めることができました。

このときは、「さすが、野生の猫だな。きっと、人間と暮らすのは難しいだろうな。これはリリースだろう」と思っていました。

そして病院へ行こうと、セン君をキャリーケースに入れて玄関を出ると、ポストに茶色い封筒が入っていることに気づきました。袋には「セン君のために使ってください S」と書かれていました。中にはお金が入っていました。

驚きました。捕獲に協力してくださった隣人のSさんが、セン君のために援助してくださったのでした。僕はすぐにお礼を言いました。するとSさんは、「できればセン君を助けてあげたいんです。せかっく巡り合った命なんですから、レイちゃんやボン君のように、保護して里親を探しましょう。」と言いました。僕は「とりあえず、医者に行って検査をしてきます。健康状態をチェックしてから判断しましょう。」とSさんに伝えました。

病院ではノミダニの駆除と、Sさんの資金で血液検査をしました。病院でもセン君は暴れて、血液を採るのは大変でしたが、病院のスタッフの皆さんが奮闘しくださり、何とか採決できました。そして、それから2日後、血液検査の結果が戻ってきました。

結果は、エイズ、白血病は「陰性」でした。しかし、「肝臓」の数値があまり良くないとの結果。その他、血糖値が高めであることが判りました。

AST(GOT)とALT(GPT)が肝臓の数値だそうです。

お医者さんの話では「年齢は若いと思います。歯がとてもきれいでしたから。でも、体重は3.8kgもあることを考えると、栄養状態はかなり良い。つまり、エサに恵まれていたと思います。肝臓の数値が悪いのと血糖値が高いのは、先天的な病気を持っているか、人間の食べ物を食べていたか、どちらかでしょう。」ということでした。

おそらくセン君は、「人間によって餌付けされていた(あるいは飼われていた)。しかもキャットフードではなく、人間の食べ物を与えられていた」のではないでしょうか。

肝臓と血糖値に関して、お医者さんは「食事を改善すれば、改善するかもしれません。もしあまり改善しなかったら、お薬で治療することになります。」と教えてくれました。

僕はこの結果をSさんに伝えました。するとSさんは「治療すれば、治る可能性もあるんですよね? では、その可能性に賭けてみませんか? 治療費は、すべて私が負担します。里親が見つかるまでの食料も、すべて私が用意します。」と言いました。

3.8kgのノラ猫。しかも肝臓に疾患がある状態。これは通常なら90%以上の確率で「リリース」になるケースでしょう。しかし、Sさんの熱意ある申し出と、ケージの中で少しずつ僕に慣れていくセン君の様子を見ていて、心が揺らぎました。

少しずつ慣れていくセン君

僕は少し考えた結果、セン君を「保護する」ことに決めました。里親のあてもないまま、そんなことを決めてしまったのは、今思えば無謀なことでしたが、Sさんの想いと、妻の理解があったおかげで、そう決断することができました。

ここから、「セン君の人慣れ&療養生活」が始まりました。(つづく)

明日は、Sさんのことをお話ししたいと思います。

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