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「小さい頃ね、〇〇が嬉しかったの!」@3歳児のはなし
ある日の朝の保育室。
2人の3歳児がケンカをしていて(ちょっと一方的だった)、仲介として入ることにした。
そのケンカの気持ちが少し落ち着いてきたかな?という頃。ことの経緯をとなりで聞いていた3歳女子が、話しかけてきた。
なんだか、すごい。
なにがって、話す勢いがだ。
あれ、
この子ってこんなに話すのか。
というかこんなに僕に話しかけてくれるのか。
ちなみにこの頃は
僕が3歳児クラスに入ることはほとんど皆無。
たまの朝夕くらいの関わりだ。
それにしても、ずっと話す。
僕は、「ひとりの子の話を最後まで聞き切る」
ということを大事にしている。
なぜなら、
子どもひとりの話を聞き切らないで、
『人の話を聞く子』には育たないだろうと思っているからだ。
つまり、大人に聞いてもらえなかった経験を持っていて、果たして人の話を聞く大人に成長するのか?ということだ。
とにかく、聞き切る。
横から話に入ってこられても聞こえないフリをする(これにもたくさん意図がある。毎回ではないが)。
これがいいかどうかはわからないが、この保育で子どもがどう育つかはかなり明白に差が出ることは身をもって体験してきた。
ただ「聞く」といっても本気で聞くから、
結構エネルギーがいるのだ。
でね。
本気で聞くと、本当に面白い。
面白くなってくる!
この子の話はこうだった。
「わたしが小さい頃ね、
赤い着物を着せてもらったの。
それでね、
近くにある公園にパパとママといったの。
その公園に小さいブランコがあってね。
それにのったら、ママが揺らしてくれたの!
それがすごく嬉しかったの!」
と、真剣に?話してくれるのだ。
この話、
"小さかった頃の話"
だ。
こうやって子どもたちは
本気で聞くと「自分が小さかった頃」のことをよく話してくれることがある。
それも、赤ちゃんくらいの頃のことだったり。
または生まれる前、
お父さんとお母さんの結婚式を空から見ていた話かまで。
なので、
子どもはそこまで知っているし、
話してくれる
というのが僕の中で前提になっている。
でも何度聞いても楽しい!!
なぜかというと、
この女の子が、小さい時のことを鮮明に覚えていて、その嬉しかった様子が目に浮かぶくらい嬉しそうに話しているからだ。
でね(笑)
大抵こういう話をご両親にお伝えすると、
「えーーそんなときのことを!」
みたいになるのです。
それが、なんか嬉しくて。
子どもたちは、
ずっと小さい頃からの「うれしかったこと」を
本当にしっかりと覚えている。
大人の僕の方がよっぽど忘れるのだ(笑)
でも、大人はあんまり知らない。
これを知れるって、保育者として
めちゃくちゃ幸せなこと。
さらにこれをご両親に返せるって
幸せの循環みたいで。
だから保育士ってやめられない✨