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博多スパイシーキャビアがくれたもの

明太子が好きだ。いろいろと好きな食べ物はあるなかで、僕は明太子が好きだ。

「全国ご飯に合うもの選手権」があったら、あなたは何を選ぶだろうか。

僕は現時点での暫定1位には明太子がランクインしていて、この選手権は一生開催しておきたいと思う。

さておき、明太子はなんと伝えたら魅力が相手に届くのか。

おもしろいエピソードがあって、福岡出身のレストランオーナーであるヒミ*オカジマさんがNYに博多料理店を出した際、明太子をメニューにこう記したそう。

「Cod roe(タラの卵)」

するとお客さんの反応はどうだったか。

注文してもいないのに「なんだこれ!気持ち悪い!」と酷評されたらしい。なぜならアメリカには、魚の卵を食べる文化がないから。

イメージできないものを人間は嫌う。僕も小さい頃「カニ味噌」が嫌いだった。あんなに美味しいものをなぜ食べなかったのか今となっては不思議だが、おそらくイメージできなかったのだと思う。

話を戻して、NYで明太子の魅力を伝えるにはどうするか。

考えた末にオカジマさんは、こう表現を変えたという。

「HAKATA Spicy Caviar(博多スパイシーキャビア)」

これはキャビアなんだぞ、と。

すると爆発的にヒットし始め、お酒に合うぞ!とシャンパンと併せて頼む人が激増したらしい。

この事例を知って単純に「すげえ」と思った。

・料理自体は変わっていないのに
・表現の仕方で爆発的にヒットした

つまり味と言葉(表現)は、結びつきがめちゃくちゃ強いということ。

僕ら人間が食べているものって何なんだろう?味覚と嗅覚は密接に関係しているというけど、そもそも「言葉を食べている」といっても過言じゃないのでは?

改めて言葉の威力を感じたし、それでなくともインターネットのおかげで文字でのやりとりが頻繁な時代だ。

このnoteやブログはもちろん、LINEやtwitterだって文字を使う。インスタやYouTubeだって、ビジュアルがメインとはいえ文字は不可欠である。

言葉にできないものを文字や文章に落とせるわけもなく、日常のいろんな感情を「やばい」とか「エモい」とかで終わらせちゃいけないんだろうなと。

伝える力をもっと磨こう。

言葉に強くなろう。

そうすればもっと人生は楽しくなるし、味わい深いものになるような気がする。

博多スパイシーキャビアが教えてくれたものは思いのほか大きい。

noteを続ける理由がまた1つ増えたし、これからもっと、noteを通じて色んな言葉に触れていこうと思う。



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