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うちのカメラマンが初対面の取引先とハグしてた
最近、Instagramの運用代行をしているんです。個人・法人ともにサポートさせていただいてます。
その中の仕事の1つに「撮影」があります。
いわゆる「Instagram用の素材を撮る」というやつで、僕は撮影現場に立ち会うことが多いんですよね。カメラは詳しくないけど、撮影するカメラマンとは二人三脚で動いています。
彼が撮影し、僕が企画の構想をしたりディレクションする。そんな感じです。
学校での撮影、それだけでエモい
先日、そのカメラマンと一緒に新しい取引先に行きました。そこは学校法人だったんですね。
「学校かぁ…」と思いながら、少しドキドキしました。なんせ卒業してから、学校ってなかなか行く機会がないじゃないですか。
チャイムの音や黒板を見ると、当時の記憶がふっとよみがえるんですよね。
教室に入ってみると、なんとも言えないエモさが広がっていました。並んでいる机、黒板に残ったチョークの粉、窓から入る光。
「あの頃こんな感じだったな」って、一瞬タイムスリップした気分になりました。
たった1つの心配事
撮影が終わったあと、担当の方が「もしお時間あればお食事でもいかがですか?」と言ってくださったんです。ありがたいことに、ここからがまた長い夜の始まりでした。
僕たちも「ぜひ行きましょう!」と二つ返事。美味しいお酒と料理をしっかり堪能しました。
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1軒目、2軒目…と、お店をハシゴしながらいろいろ話すんですよ。学校の歴史やInstagramの活用法、学生さんとのエピソードなんかで盛り上がりました。
思っている以上に、教育現場は繊細なんだなと。いろんな「愛」のもとに成り立っているのを、担当さんとのお話しで感じました。
初対面ではありながら、話しているうちにどんどん距離が縮まっていくのを確かに感じていました。
1つだけ心配だったこと。出張先だからなのか、カメラマンの彼が明らかにお酒のペースが早かったのです。
「Kazさん(カメラマン)、大丈夫?」
『大丈夫です!たのしい!美味い!全部撮ります!』
たしかにお店でもカメラを構えていたんだ、ここまでは。
まさかのハグ、その理由
そして、夜も更けていく頃。4軒目のバーに入ったとき、事件(?)が起こりました。
なんと、うちのカメラマンと担当さんが、熱い抱擁を交わしていたんです。初対面で抱き合うなんて、なかなか見ない光景ですよね。しかも泣いてる…??
もちろん、ただの酔っ払いが騒いでいるわけではなくて。そばで聞いていたら、カメラマンの彼の“家族の話”がきっかけだったんです。
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彼は熱弁していました。
『親孝行なんて、3歳で終わってるんですよ。娘も息子も本当にかわいい。たまにイラッとしますけどね。ハッハッハ。いま下の子が3歳だけど、もう十分に親孝行はしてもらいました』
そして続けました。彼のお父さんが病気になったこと。これまで当たり前だったことが、できなくなったこと。
八神純子が流れる店内で、ぽろっと語ったのです。
『クルマで懐かしい音楽をかけると、親父が涙を流すんですよ』
父親の昔話や、家族の思い出を語りながら、彼は少し目を潤ませていました。
担当さんもうんうんと聞いてくださり、なにか感じるものがあったのだと思います。
その一瞬、空気がピタッと静まったというか、心が通じ合ったような雰囲気になりました。
そしたら自然とがっちり抱き合って、「人生、いろいろあるよね」なんて照れつつも笑い合っている。いいなあと思いました。
それこそ、今日はじめて会った人と分かち合えるわけで。人生はいろいろあります。
魂が通じる人との仕事はいいものだ
正直、僕は横で見ていて少し驚きました。初対面で、しかもビジネスの場でハグって、日本ではあんまりないんじゃないでしょうか。
全部撮ります!の意気込みはどこへやら、カメラが綺麗にしまわれていたのはさておき。
そこにはお互いが共有できる「大切な人を思う気持ち」がありました。
肩書きとか業種とか、そんなものを超えて「わかるよ、その気持ち」っていう瞬間があるんだな、と。
Instagram運用代行をしていると、どうしても数字や効果測定が大事になってきます。いかにフォロワーを増やすか、いいねを集めるか、エンゲージメントを高めるか。仕事ですから、それはもちろん最優先で考えます。
でも、それだけじゃないなとも思うんです。
仕事の向こう側には必ず「人」がいて、その人に喜んでもらいたい。家族や友人、大切な存在のことを想う時間があるんですよね。
それこそ、たとえ初めて会う相手でも共感って生まれるわけです。そこから言葉を交わし、抱き合うことだって自然に起こるわけで。
なんだかんだ言って、僕はそういう“魂が通じる瞬間”が大好きだなあと思った夜でした。
結局、大事なのは「通じ合う」ってこと
あなたは、仕事ってなんのためにやってますか?
僕はもちろん利益を生むためにやっています。曲がりなりにも会社の代表として、ボランティアではない。ただ、その過程で誰と一緒に何をするかによって、結果の意味合いが変わるんだとも思うのです。
数字や成果を追いかけるのは大前提。一方で、そこに「一緒に楽しむ」とか「共感する」という要素を加えると、不思議と成果もついてくるし、やりがいも増す気がするんですよね。
僕はこれからも、Instagram運用や編集の仕事を続けます。そのなかで出会う人たちとの“心の通じ合い”を大切にしていきたい。
自分も撮影担当の彼も、クライアントさんも、みんなでエモい瞬間を味わえたら最高だなって思います。
あなたの日常にも、心が震えるシーンが訪れますように。