経営学のキホンとビジネスモデルの4要素
大学で経営学部ってあるじゃないですか。本質的には経営学を網羅してるカリキュラムなんですが、全く実用的じゃないですよね。なぜなら教授や准教授などの勉強することを仕事にしている人が、知識0の学生に自分の専門領域についてひたすらに説く。
林先生や池上彰さんじゃないので分かりやすくというより、ただ教えているだけ。理解しているかどうかは定期試験というフィルタで表面的に実施しているだけ。
だったら、この本を1冊読んだ方がたぶん100倍分かりやすいです。
この本を読んだ考察を書いていきます。(若干、個人の解釈が入ってます)
2500文字なので3分程度で読めます。
経営学のキホン
経営学は5つの分野の専門分野の寄せ集めです。
①経営戦略 ②マーケティング ③アカウンティング(会計、経理) ④ファイナンス(財務) ⑤組織論 ⑥オペレーション
①経営戦略
企業としてのあり方。CEOの担当。どのマーケットで戦い、どのようなプロダクトで勝負するのか。経営の核となるもの。
②マーケティング
市場や競合を分析することで、誰に対してどんな価値を提供するのか。実現までの4P(商品・価格・販促・販路)を組み合わせて戦略を立てる。CMOの担当。
③アカウンティング
会社の中でCFOが担当。キャッシュフローを把握し分析することで資金を貯めながら回していく。
④ファイナンス
会社の中の銀行。CFOの担当。株式や債券(社債)の発行、銀行からの借り入れ(デッド)など資金調達手法を最適化し、事業に分配する心臓部。
⑤組織論
会社は人が集まって組織になる。それぞれにどんな役割や責任を与え、権限を持つかを決める。従業員のマネジメントなども含まれる。COOの担当。
⑥オペレーション
サービスの提供のために、どのようなプロセスで遂行するかを決定し、仕組化する。生産から物流、販売までの工程。
現場レベルでは、マーケティングとオペレーションだけ抑えておけば一旦は良いでしょう。
ビジネスモデルの4要素
①ターゲット
ビジネスの基本は、利益を上げることです。当然、利益を上げるために対象となるターゲットが存在し、その人がお金を払うことで利益が生まれる。
②バリュー
商品を買うためには、その商品の価値に気づいてもらう必要があります。要素としては、スペックや価格、サービスなどが挙げられます。
③ケイパビリティ
商品を開発した後、営業・販促をかけて受注し、生産、配送して代金を回収しなければなりません。研究開発、マーケティング、営業、会計財務など多岐に渡ります。
これらの4つのモデルを決定し、収益モデルを決定していきます。
ユニクロのビジネスモデル視点で見てみると
ユニクロを傘下に持つ株式会社ファーストリテイリングの年間収益は約2兆円(2019年8月決算)で、ユニクロ単体だと国内だけで8,700億円(2019年8月決算)。
ユニクロのビジネスの特徴として
①イージーメイドや既製品(海外工場で生産されていて、かつ大量生産)
②定価販売(顧客による差別なし、誰でも同じ価格)
大量生産で大量販売だと、基本的には薄利多売になりがちですが、海外に生産拠点を持ち、人件費などの販管費を抑えた上で、多売することで高利多売を実現しました。(ちなみにユニクロは、海外支店の売上の方が大きいです)
ターゲット戦略
事業のターゲットは「顧客」が基本ですが、実際には例外もあります。例えば、
・利用者と支払者が別:オムツ、ペットフード、医療用医薬品など
・意思決定者と支払者が別:大学の学費、医療
当然、支払い能力がない乳幼児は親が購入するし、ペットフードはペット自身が購入できないので代理で購入します。大学の学費も受験生に学費や受験料などは支払えないし、医療費も当然支払えません。
ターゲットを見定め、組織全体を同じベクトルに向かせるのが事業経営の指針です。
少し話はそれますが、よく現金商売のビジネスは強いと言われます。これは、掛け払いという概念をなくし、現金(cash)がすぐに入ってくるので、その現金をもとに、また事業投資したりお金がお金を生む複利が生み出せるのでCFが良くなるからです。
近所のスーパーもcash onlyで大量に仕入しているため、店頭での販売価格が近隣店舗より安く、圧倒的な集客力があります。
ただ、このビジネスの問題点は、
・大量仕入のため売れ残り(在庫リスク)
・薄利多売のためレジ打ちをする従業員が疲弊
・多くの顧客を扱うためサービスの質が低下
・キャッシュレスという時代の流れに乗っていない
この辺が挙げられます。顧客良し、店は儲かる、卸売業者も儲かるけどその分配送業者や従業員は大変ですね。しかも現金を直接触れるので衛生的にも良くありませんし、現金を所持する煩わしさもあります。
他にオススメの経営の本3選
読んだ中での選定ですが、オススメの経営学の良書です。
タイトルが気になって、手に取った本ですが出会えてよかった。Appleの創業者スティーブ・ジョブズやアマゾン創業者のジェフ・べゾスも慕う師匠であり、Google創業者の一人であるラリー・ペイジなどを育てた「シリコンバレーのレジェンド」ことビル・キャンベル。社員のコーチであり、メンターであった彼の功績が分かり、経営学はもちろん、とにかく鳥肌が立つぐらいオススメです。
自身・自社の既存の範囲を超えて認知を広げていこうとする「知の探索」と自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りする「知の深化」。これらを上手く行っている企業ほど、イノベーションが起き、パフォーマンスが高くなる傾向は、多くの経営学の実証研究で示されています。本書では、これら2つをあわせ持った「両利きの経営」について体系的に解説しています。
スタートアップが必ず直面する課題とその解決策を、時系列に整理していてとても読みやすい。自身の起業経験も踏まえているのでよりリアルな起業の本質が見えてきます。
起業を目指している方、そして起業直後で課題にぶつかっている方にオススメ。
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