当たり前がまだまだ遠い側弯症治療
側弯症の運動療法に関わって6年が経ちます。
本日も側弯症のお子様を拝見しました。整形外科に行き経過観察で放っておかれ、親御さんは必死に整体へ、カイロプラクティックへ様々ところへ我が子を連れて少しでも改善する方法はないか試行錯誤し、そして僕の主宰する側弯トレーニングセンターへ。
僕のところでは、側弯症とは何かからお話をします。具体的な内容は側弯トレーニング手帳に沿ってお話しします。
何よりも大切なのは患者、ご家族の教育なんです。側弯症とはなにかを理解しないで、日常生活の中で自分の体を管理していくことはできません。
施術というもので関節や筋肉をほぐしたところで戻ります。そもそも、側弯症の方は多くが関節が緩い方ですので、ほぐしたら更に不安定になります。
ほんと思うんです。まだまだ当たり前がない分野だなぁって。
【全て特発性と診断される現状】
整形外科に限らず医学の常識の中で、側弯症は多因子遺伝疾患という遺伝に関係する、原因不明の疾患で、手術以外は何をしても効果がないものとされています。
僕もシュロス法を知るまではそう思っていました。だってそれが常識ですから。でも調べればわかりますが、ドイツにはシュロス法が、イギリスにはサイドシフト法が、イタリアにはSEASがあります。他にも沢山の運動療法が存在し、それぞれかなり高いエビデンスをあげています。
そう、ただただ日本人が知らないだけです。
そして、僕は理学療法士としての臨床経験が20年を超えているので、いわゆる背骨しか見ない狭い見方ではなく、骨盤や足部、頭蓋なども把握して総合的に見ていきます。
今回の方も、寝方が影響している方で、脚長差も8ミリありました。骨盤の変形も強く腰部のカーブが強い典型的なタイプではありませんでした。
かなり個性が強い骨盤などの変形なので、生活指導などは個別の工夫が必要です。つまり一筋縄にはいかないのです。
でも、医学は効率性を重じていますので、パターン化して、ルーチン化します。個別性というのは手術になって初めて対費用効果的に実施されます。
でもそもそも、人の体は個別性です。生活習慣や遺伝的な素因、過去の出来事などの影響が現状を作っています。そこにしっかりと向き合って明らかにしていくことで初めてその原因や影響の大きな要因が見えてきます。
側弯症は、この症状ならこの対応という効率化が難しい疾患なのです。ですから、現代の医学の中で本当に取り残され、ずべて特発性側弯症ということにされ、ルーチン化の中に無理やり入れられてしまいます。
確かに医療の現場では効率化が最重要ですし、そういうシステムにしているのは医師ではなく国です。そういう意味で側弯症の方々は主犯格の分からない矛盾した社会構造の弱者的な存在になっています。
僕は、そういう当たり前がなされていない現状にとっても憤りを感じますし、少しでもそのような方々のお力になりたいと思っています。
【側弯トレーナー】
今回の方は、8ミリ補高して直ぐに「楽!スッと立てる!」と感動されていました。僕にとっては当たり前のことです。沢山回ってこられてやっとここで当たり前に会えた、、、。これが現状です。
感動してもらえたのは嬉しいですが、まだまだ自分の啓蒙が足りないなと感じました。
もっともっと知って欲しい。側弯症とは何かを!僕の時間も人生も有限なので、仲間を増やしてます。医療資格者限定ですが、側弯トレーナーという資格を作り啓蒙しています。
テキストは初めに紹介した手帳です。困っている方は人口の約2%います。240万人です!
全国にいるわけですから、全国のセラピストに知って欲しい内容です。もちろんシュロス法など海外のものもとても勉強になります。
しかし、僕の経験をつめた頭蓋や骨盤、足部の見方などに関しては、他の講座では教えてくれません。構築性に関しての内容が基本です。
臨床的には、習慣性、機能性というものも珍しくありません。この鑑別ができないと運動療法の方向性を誤ります。見極めはとても重要なことです。
オンライン化によって、実際に東京の八王子に来るのは2日間だけです。動画視聴、zoomでのケーススタディによって時間的、空間的敷居はかなり下がりました。
全国の側弯症に関わる可能性のあるセラピストの申し込み待っています。当たり前の選択ができる世の中へ、まだまだ足りません。僕ももっと啓蒙します!力を貸して下さい。