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【臨床日記】足部のアーチサポートは硬くていいのか?

お正月に雪道を散歩していて思うことがありました。
その道はアイスバーンになっていて、車のタイヤの跡や除雪車の跡などでぼこぼこになっていました。

普通の防寒用の靴を履いていたのですが、足底からその道のぼこぼこは伝わって来ました。
そして、自分の足部がその隆起に上手に対応していることがよく感じられました。
足に対して道の右側が高ければ足部は左に倒し、左が高ければ右に倒し、よくまぁ柔らかく動くものだと。

足部のアーチは恒常的に下がると扁平足という状態で病的なものとして扱われます。
そして、その低下したアーチを支えるのがアーチサポートです。
アーチサポートはコルクで作ったり、もっと硬い素材で作ったりとしっかりサポートする事がよしとされています。

でも、どうでしょう?
僕が床面に対して柔軟に対応していたその足部の柔軟性はアーチを固めてしまっても出るのでしょうか?
足の柔軟性は必要だから存在しているのです。
その機能を固定化してそれは自然なのでしょうか?

アーチが低下している方の場合は、そもそも原因があって低下しているのです。
例えば前捻角とつま先の向きの不一致や、重心が前方重心になることで、アーチを潰しているとかです。
他にも、様々な原因で低下しますが、アーチの低下をその原因を無視してただ支えればいいというのはちょっと強引な気がしますよね。

実際、硬いインソールを使って、結局足裏が痛くなって吐くのをやめたという人は結構聞きます。
僕も、硬いインソールを使った事がありますが、やはり痛くなりました。

ここでも、予防運動の考え方重要だと思っています。
対症療法だとどうしても、十把一絡げの対応になってしまいます。
下がっているから上げればいいと、、、。

原因によって対応方法は本来は異なるはずです。
でも原因を探すのって大変なんですよ。
外来の限られた時間でそこを追求するのは、病院などでは時間的に無理なのは分かります。
でも、運動療法の専門家である理学療法士などであれば、本来は原因を探る視点で、しっかりと評価をして、画一的なアーチサポートではなく、根本原因に対処するような技術を持って欲しいなと思います。

僕の見解ですが、原因に対処することで足の機能が正常になる見込みのある人にはアーチサポートは必要ないでしょう。
僕は裸足推進派ですし、ベアフットシューズのような裸足感覚で本来の足裏の感覚を高めた方が本来の機能を高められると思っています。

アーチサポートや硬いインソールが必要な人は、構造的に破綻している人、足の機能を正常に戻すことが無理な人です。
そのような障害の補正として必要な場合もあります。
その場合には硬い方が効果が高い事はあるでしょう。

予防運動的には、そうならないように、普段から裸足でいて欲しいですが、病気や外傷、障害などで補正が仕方のない方もいます。
そういう意味で、病院で装具的な処方では硬い方がいい場合が多いかもしれません。

病院レベルではない不調や扁平足の一般では、原因を解決して本来の足部機能を回復する予防運動の方が第一選択でしょう。
でも原因追求する専門家がまだ少ない、、、。
足のアーチについてもその低下の原因を追求できる指導者、専門家が増えてくれるといいなぁと。
対症療法から、原因療法としての予防運動が第一選択となる、そういう未来が待っているといいなぁと思う今日この頃です。

子どもは裸足で野を駆けまわればいいんです(笑)
インドはサンダルが多く靴を履く人は少ないです。
だからか扁平足や外反母趾の人を探す方が大変です。
2年いけていないインドに、再び行きたくなってます、、、。
過保護な日本は、自ら障害を生んでいることに気づいていない人が多いですね、、、。

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