【臨床日記】姿勢は筋力が低下するから悪くなるのか?〜姿勢に及ぼす多因子〜
不良姿勢の方に姿勢を指導させて頂くと、「筋力がないからですかね?」
と聞かれることが多々あります。
おそらく病院に行くと、医師から多くは筋力低下が原因みたいなことを言われるからじゃないかと思いますが、、、。
まず筋力が勝手に落ちることは、寝たきりのようなよほどの運動不足か、栄養不足でもない限りは、日常生活を維持している中では起きないでしょう。
筋力が落ちるから姿勢が悪くなるのではなく、多くは順番としては逆でしょう。
姿勢が悪いから筋力が落ちるのです。
全身の筋力低下となると、廃用ですので、それは全身性に起ってくると思います。
膝や股関節などある一部の関節周囲となると、廃用ではなく、不良姿勢からくる筋の出力不全です。
そうなると、なぜ姿勢が悪くなるのか、、、そこが問題ですよね。
姿勢にはいくつもの因子が影響を与えます。
まずは、習慣です。
ソファに座る習慣は体を丸めます。
下を向く習慣も頭が前にでますし体が丸まります。
仕事などで偏った姿勢を取れば当然それが癖になります。
バッグなどを持つ左右差も同じくです。
その他にも、環境という因子もあります。
これはアフォーダンス理論と言いますが、環境に自分たちが動かされている、姿勢を決めさせられているという理論です。
例えば、天井の低いところにいれば圧迫感がありますよね。
天井に頭をぶつけないように体を丸めると思います。
その逆も然りです。
つまり、無意識に環境によって姿勢が決められているのです。
その他にも感情も姿勢に影響を与えます。
緊張すれば肩がすくみます。
物事を斜に構えて疑う姿勢は頭を横に倒しますよね。
姿勢で感情をまさにボディランゲージとして表しているわけです。
このように、姿勢には様々な因子が関与しています。
ご自分の姿勢があまり良くないなと思ったら、なぜ不良姿勢をとってしまうのか、習慣、環境、感情を掘り下げてみて下さい。
また多くの癖は無意識に今までの経験や成長過程で形成されていますので、自分の歴史を振り返ることも気づきを与えてくれます。
良い姿勢は人生を好転させてくれます。
ぜひご自分の姿勢にこだわりを持って下さい!