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【マガジン】インストラクションのコツと言語以外の教示

なんでも話せば分かるというのは幻想です。
それを世の中に衝撃的な題名で伝えたのは、解剖学者の養老孟司先生です。

実態あるものに対して人は概念化した言葉でそれを表現し他者に伝えようとします。
概念というのは、その実態を構成している要素を共通項でまとめて、そこに言葉を当てて理解しようとする機構です。
◯という形態に対して「丸」という言葉が存在し、⬜︎という形に対して「四角」という言葉ができているのです。
しかし、匂いには形がありませんから言語化が難しいですし、形も正円や正方形というのは自然界ではほぼなく、ある程度の弯曲を有していますから正確に伝えるのは困難です。
ましてや触覚も味覚も感じ方は人それぞれですから、そもそも概念化すると解像度はとても荒くなってしまいます。

でも、言葉で伝えないといけない場面もあります。
電話はそうですし、実際に実技や実態そのものを体験できない場合には、動画や写真に追加して解説が必要です。
多くの勉強も、概念を伝える場合にはまさに言葉が必要です。

読書をして、その活字から情報を得ている時は、それぞれがその言葉を脳内の概念と照合して、画像化したりその場面での身体感覚を想起しています。
これはこれで人間の想像力がなせるすごい技でもありますが、それがどれくらい実態と合っているかは甚だいい加減なところでもあります。

言語の限界を客観的に理解しておくことは重要だと思います。
今回は言葉の限界を理解しつつも、ヨガクラス中のインストラクションでの言語化について考察してみます。

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ヨガの解剖学の第一人者直伝のヨガ指導のポイントをお伝えします。他ではあまり伝えない内容もここではお伝えします。怪我のないヨガ指導。自分らしいヨガ指導。ヨガインストラクターとしての指導のポイントをお伝えします。

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