見出し画像

隣のひょっとこ(ベーゴマ考114)

「ひょっとこ」ってだれ?

「ひょっとこ」はおかめとセットで出てきたり、
そのひょうきんな役どころとして、田楽やお祭りにでてくる。

成り立ちにはいろんな由来や説があるが
岩手県の昔話があったので、紹介する

爺さんが柴刈りの最中に穴を見つける。穴は災いをもたらすので塞いでしまおうと、大量の柴を押し込んでいると中から呼び声がして、立派な御殿のある世界に連れられる。呼んでいたのは美女で、さらに白髪の翁から褒美としてヘソから金(きん)を生む、奇妙な顔の子供を譲り受ける。爺さんは子供を気に入って育てたが、欲張りな婆さんはより大きな金を欲しがり、ヘソを火箸で無理やり突いたため、子供は死んでしまう。悲しむ爺さんに、自分に似せた面を竈の前に架けておけば、家が富み栄えると夢枕に立ったという話である。

『江刺郡昔話』(佐々木喜善・編、1922年)

その子の名前が「ひょうとく」であったことから、「ひょっとこ」という名称が生まれたとされる。東北地方には登場する子供の名称が異なっているが(うんとく、したりなど)同様の類話が昔話として多く確認されており、おおむねその後身が火神(かまど神)となったとされており、「ひょっとこ」と火が関係があるというもとになっている。

恵比寿様の蛭子伝説もそうだが
異形の子どもは福をもたらすという話は多い。
そして、
たいがいいい人は爺さんで、
欲張りはばあさんである。

このお話からもわかるように
「ひょっとこ」は火の神であり、福の神だから縁起物としてあつかわれる。

面バイの「ひょっとこ」

昔から基本面バイはベーゴマの中では貴重で高い。
まして、未加工で状態がいいものは…たっかい

ひょっとこは
のらくろについで高い気がする。
私は東寺のガラクタ市で手に入れた

そして、井出先生はその直後、超絶スペシャルな形で「ひょっとこ」をゲットした。
うらやましいw

2つのひょっとこは
同じ頃に関西の同じ場所で
兄弟として鋳造されたはずだ。
昭和一桁につくられたとしたら
約100年ぶり
井出先生と会えた
大阪大日の「コマの魅力展」で
運命の再会を果たしたのだ。

左が私の、右が井出先生の
井出先生のは錆がひどかったので綺麗になってる。

「力士」や「おかめ」に複数の型があったように
きっと「ひょっとこ」にも複数の型があるはずだ
ずーっとみてると
金坂所蔵のほうがふっくらして見える。
しかし鋳造の時期による型の劣化による
鋳造差の可能性もある

ちなみにこちらは愛媛の岡本さんのとこの
「ひょっとこ」
岡本さんのものは常に状態がいい。
左の子の左側(右目)の玉の部分などは
私や井出先生のひょっとこには確認できないため、初期の鋳造と思われる。

仮称•ねっとこ
(ネットに出ていたひょっとこ)

最近私と井出先生ふたりのあいだでのみ
通用するこの言葉。

すこし前にオークションサイトに出ていた
異質な面バイのひょっとこを指す。

https://nmco.aareinvo.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=274420
https://nmco.aareinvo.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=274420
https://nmco.aareinvo.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=274420
https://nmco.aareinvo.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=274420
https://nmco.aareinvo.shop/index.php?main_page=product_info&products_id=274420

これがオークションに出た時、
一目でかなり貴重な品ということはわかった。
同じ「ひょっとこ」でありながら、
造形が細かく、また、本来二つ巴である
バイゴマの裏面は、おちょこのように凹んでいる。
欲しかったけれど
この当時、手を出せる金額ではなかった。
素敵な持ち主のもとにわたっていることを期待する。

最近、高価なものや貴重なものは
オークションサイトの情報そのままで
某国の詐欺サイトに転載される。
皮肉にも検索して、その写真を観れるのは検討するにあたり有り難かったりもする。

この子のことを
私たちは「ネット上のひょっとこ」=「ねっとこ」
と呼ぶ。

ねっとこは
面バイの「ひょっとこ」と同じ顔をしているため、
他人の空にとは考えづらい。

造形が細かいことから、面側の元型か、それに準ずる参考になった本体かもしれない。

ねっとこは、面バイのひょっとこに比べて
すこし面長なのだ。

私と井出先生の今まで調べた推論では、
「面バイ」は
泥メンコや鉛メンコの系統の遊び方
つまり現代のビー玉遊びと
バイ回しを融合した過渡期の革新的な逸品であったのではと推測している。

そのため、
崩れない鉛メンコとしての「顔」、造形要素を
保った中で、いかに独楽として
重心をとり芯を出すかがポイントとなる。

「力士」や「おかめ」、「ひょっとこ」を考えても
意図的に鼻の位置がど真ん中にきている
いっぽうで、造形をとるか独楽としての機能を取るかの妥協点の模索の中
どちらを取ったかのズレとも呼べる要素があるのだ。
そのため回転などに関して、
バランス面では難がのこる。
「オカメ」はどうみても◯とはいえず、どちらかというと台形で、形が歪なので
そらまわらんw
しもぶくれのほっぺが空 相手の独楽にぶちあたると言う強みはあるかもしれない。

この「ねっとこ」も面長なため、
このまんまではバイゴマとしては巻きずらいであろう。そのため、
当初つくられたこの型をもとに
もうすこし
回しやすいように
顔を丸くしたと考えている。


井出先生とふたりで
日本の歴史的なベーゴマはどちらかがもっている
ようにしたい。

どうはさても欲しいものは
あと少しになってきた。

すべてのベーゴマのことしりたいなぁ!



いいなと思ったら応援しよう!