見出し画像

「チョコバイ」のチョコ(ベーゴマ考113)

あなたのお名前なんつーの?

前回、日本玩具博物館の資料の中に
「チョコバイ」と明記されたものがあったことを述べた。

この「面バイ」の寄贈者の聞き取りのなかで
「チョコバイ」と言っていた
というもの。

前回も、この「チョコ」が何を指すか
川口市郷土資料館の井出先生と共に
考察を行っていた。

その結果、「ちっこいバイ」という関西の言葉から来たものではないだろうか
という推測になった。


しかし、
さすが井出先生。
2日後に、新しい可能性を示してきはった。

おもちゃ博物館の記載

井出先生が発見したのはこの記事

なるほど、
関東の「おちょこベエ」の「チョコ」説である。

この記載は何度もわたしのnoteにでてくる、多田 敏捷先生の「おもちゃ博物館12 羽子板•独楽•凧」に出てくる言葉だ。
この本では、関東のベーゴマを「ベエ」と表記し関西のベーゴマを「バイ」と表記している。

シンプルかつ大胆

東京では
昭和の初頭に
元々使われていた、
貝製の「空バイ」が
鋳物製の「おちょこベー」に
置き換わる頃である

同じ頃
大阪でつくられた「面バイ」
東西の情報が伝えられる中で
言葉のみが伝わって
意味が変わっていったとは考えられないだろうか。

チョコベエ由来説

面バイは数種あるがそのなかで
私が「崩れ顔」と呼んでいた一種
日本玩具博物館で「チョコバイ」と呼ばれたものは
面バイの種類としては小さくかるい。

一方、
関東のおちょこベエは
お猪口の名前のように中が空洞なので
同時期関西で主流だった全部埋まった鉄バイ
からみると「かるかった」わけだ

なにかの拍子に、
「東京のおちょこベエはかるい」って話を聞いたとしよう。
それが「軽いベーゴマ=チョコベエ」になり
いつし軽いバイゴマを「チョコバイ」とよんだ
と考えられないだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!