動作法との出会い

私が動作法と出会ったのは、大学1年生の時である。
出会ったというより、既に高校3年生からこの大学を志望校としていたため、大学で動作法をやっているということは知っていた。浪人時代の1年間を経て、無事に入学後、何も躊躇うことなく動作法の月例会に参加していった。
今、振り返って思うことは、「机上の勉強」よりも「体で覚えていく」スタイルの方が学生時代の自分には合っていた。

そのため、よくわからないけど、動作法を行うことで、脳性麻痺の方が体が楽になったり、思うように動かすことができるようになったり、そして立つことの感動、歩いた時の感動を共有することができるのだった。

気づくと、夏の1週間キャンプにも参加していた。1年生の時は基本的にサブトレーナーをするのだが、偶然にもトレーナーの人数が少なく、自分を含めた1年生の2人もトレーナーとしてキャンプに参加することとなった。
だが、そのキャンプは自分にとって忘れられないキャンプとなった。

ダウン症の生徒(今はもう立派な成人)と1週間行うこととなったが、やりとりの難しさに直面したのだった。2、3、4年生の先輩方は、試行錯誤しながらも上手に訓練しているように見え、自分だけ何もできていない、成果も何も生まれていない・・・と。
あの、毎回やってくる4、50分間の訓練はとても辛かった。自分に持っている武器が全く何もなかったからだ。
しかし、その時のSVからの助言が忘れられない。

動作法は、身体的な変化だけではなく心理面的な変化も捉えないといけない。
トレーナーの心理は、トレーニーの心理にも影響する。
つまり、緊張していればそれは伝わるし、楽しいと思えば一緒に楽しくなれる。

そして、徐々にサブトレーナーの協力もあり、自分とトレーニーとの心理的な距離が縮まり、「一緒に動作を行う」ということにも行うことができ、そのキャンプは終了いたように思う。

気付いた時には、トレーナーを指導させてもらう役目まで担いそうである。だが、まだまだ経験値と知識が足りない。これからも自己研鑽である。
そのためには、見立て・実践・振り返りのサイクルを繰り返し行なっていくしかないであろう。また、これからは言葉によるわかりやすい説明が求められる。
まだまだ道のりは遠い。

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