ノルウェーのスキー場で驚いた
先週末は珍しく快晴でした。めったにないチャンスということで、スタバンゲルから一番近いスキー場、Sirdal スキーリゾートに行ってきました。
こちらのスキー場は小規模で、ファミリー向け。初級から中級者向けで、上級者にはやや物足りないかもしれません。
私たちにとっては、ノルウェーでの初スキー。ちなみに、私はまだパラレル途上の初級者です。
日本各地のスキー場を知っているわけではありませんが、それでも、日本とはかなり違う!と驚いたことが3つありました。
スキーヤーだらけでスノボー率低し
昨年、日本のスキー場にいくつか行ったのですが、スノーボーダーがスキーヤーより断然多く、スキーはちょっと肩身が狭い思いをしたものです。
こちらはその反対でした。特にスキー専用リゾートではないのですが、スキー8割、スノボー2割といった感じでスキーがメジャーです。
理由として考えたのは、ノルウェーではクロスカントリーが人気だからかな、と。雪が積もった森や野山に囲まれた環境で(田舎はそれしかない)、クロスカントリーは冬の大自然を楽しめる人気スポーツです。そんな彼らが、気分によってゲレンデでの滑走を楽しむ、という感じなのかも。想像ですけどね。
ほぼ全員がヘルメット着用
日本では、プロ級の上級者がヘルメットを着用して滑走するイメージですが、こちらでは、ほぼ全員がヘルメットをかぶっています。スキーを習い始めたばかりの未就学児から、若者、大人にいたるまで、当然のように着用していました。
着用義務があるのかな、と思いましたが(義務化しているリゾートもあるようですが)、法律というわけではなさそうです。
学校教育等で徹底しているのかもしれませんが、何かスポーツをする際に、自己責任で安全を徹底するというマインドセットをこちらの人たちは自然と身につけているように感じます。
日常でも、少しでも天気が暗かったり悪かったりすると、子供も大人も、蛍光ベストや蛍光ジャケットを着て散歩したり自転車に乗る人が多いです。
自転車で近くに買い物に行く程度でも、しっかりヘルメットしています。
話はそれますが、日本だと、スキーやスノボーのウェアを頑張って揃えるイメージがありますが、こちらではタウンジャケット使いの人が結構います。普段から防水・防寒ジャケットを着ているから問題ないのかもしれません。なので、レンタルショップはあっても、ウェアのレンタルはありません。
立ち乗りリフトにたじろいだ
立ち乗りリフト、これが一番の衝撃でした。そして一番のハードルでした。
円盤を股に挟んでひっぱってもらう形式と、T字バーを後ろの下半身にあててひっぱられる形式の2種類ありました。ヨーロッパではよくある型のようですが、私たちは初めて目にし、かなりたじろぎました。
円盤型はこちらの爆笑動画を見るとイメージつかめると思います。
(この動画で思い切り笑われてる人達を見て勇気をもらいました)
何度か円盤キャッチをミスしましたが、案外簡単に慣れました。スノボーの方がバランスとるのが難しそうです。
T字型リフトは円盤型より難易度が高いです。
乗る時はT字バーの部分をお尻の下か太ももの裏に平行に当てるのがコツなのですが、斜めになるとずれが大きくなり、そのまま押し倒されてしまいます。係員がいればいいのですが、自分たちだけだと調整が難しい。
私は降りる時が恐怖でした。バーはなかなかの力で動いているので、モタモタして外せないでいるとやはり押し倒されます。私、何度転倒したことか。バーの端が膝にひっかかった時は、抜け出せずに膝を思い切り捻じってしまいました。優しい方が心配して抱え起こしてくれたのですが、痛すぎてしばらく立ち上がれませんでした。
夫も降りるときに失敗し、雪の壁に激突したので、海外にスキーに行かれる方は事前のイメトレをおすすめします。
コツは、円盤型でもT字型でも、体重をリフトにのせないこと。椅子型リフトのように座るのではなく、力を抜いて立った姿のままリフトに引っ張ってもらう要領です。
1日目は慣れないリフトで受けたダメージが大きく、スキーもボロボロでしたが、2日目はさすがに少し慣れて恐怖が薄らぎました。とはいえ、最後まで長男と一緒でないとリフトに行けませんでしたが。
去年までは息子たちを保護する立場だったのに、今回のスキーでは小中学生の息子に励まされる母でした。
ノルウェーの雪景色を楽しむ
膝は痛めたものの、ノルウェーのスキーデビューはなかなか楽しいものでした。天気や雪のコンディションが良く、へっぽこスキーヤーでも楽しめたこともありますが、スキー場までの道中の景色がまた素晴らしかったのです。
雪をかぶったフィヨルドの景色は、夏とはまた違った趣を見せてくれます。
畑や草原や山が一面の白になり、境目がなくなり、視界が広がります。青い空とのコントラストが美しく、夕焼けでピンクに染まる雪も美しい。
切り立った黒い崖と雪のモノクロの絶妙さ。
そして、雪の大地と凍った水面に漂う静けさ。
雪深い地域で暮らすのは大変だろうな、と感じつつ、ご褒美のような美しさがここにはあるのだな、と感じ入りました。