展覧会レポ:ggg「横尾忠則 銀座番外地 Tadanori Yokoo My Black Holes」
【約2,300文字、写真約25枚】
最近、銀座の企業ギャラリー巡りを始めました。ギンザ・グラフィック・ギャラリー(以下:ggg)に行ったことがなく、横尾忠則に興味があったため、行くことにしました。その感想を書きます。
結論から言うと、銀座に来た際は是非寄るべきスポットだと思いました。良かった点は、1)無料!、2)すべて未完成作品、3)横尾忠則についてもっと知りたくなった点でした。おすすめ度は★3です。
➢ gggへのアクセス
gggへは銀座駅から徒歩約10分。ユニクロ銀座の近くです。
住所:東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
➢ gggとは
gggとは、
運営するDNP文化振興財団に感謝。今回で395回目の企画展。調べてみるとDNPの他に、凸版印刷は「印刷博物館」(文京区)を運営しているようです。印刷は文化と大きく関わりがあるため、(社会貢献の意味も含めて)ビジネス以外の活動が望まれます。gggは無料公開している点がすごいです。
➢ 「横尾忠則 銀座番外地 Tadanori Yokoo My Black Holes」
訪問したきっかけは、東京都現代美術館で横尾忠則作品を2、3見たことがあったり、神戸市立王子動物園に行った際に横尾忠則現代美術館の横を素通りしたことがあり、横尾忠則に興味があったからです(しかも無料)。
この展覧会は、あえて未完成作品のみを展示しています。横尾忠則の作品は、今まで制作したどんな小さな仕事も、失敗作もそのすべてが保存されているそうです。彼の人生すべてが作品と言っても過言ではないですね。
横尾忠則現代美術館には、未完成を含む作品が約80個のダンボールに収蔵されています。それを横尾忠則は「ぼくのブラックホール」と呼んでいるとのこと。過去の蓄積に、一回ハマると抜け出せない、吸い込まれるようなイメージがあるのでしょうか。部屋の掃除をしている時に懐かしいものが出てくると、全然進まない現象と同じなのかな?(卑近ですみません)
色の指定など、普段見られない下絵は面白かったです。彼の作品は、(モノによって)自分で描くのではなく、工房のように他の人が仕上げるのでしょうか。絵画の下絵とは違ったため、興味深かったです。
なお、この展覧会では、作品についてのキャプションは一切ありません(そもそも下絵なので)。そのため、雑念なく鑑賞に没頭できました。
現在、横尾忠則は87歳。今回の展覧会を通して、横尾忠則についてもっと知りたくなったし、横尾忠則現代美術館に行きたくなりました。
➢ 1階の様子
➢ 2階の様子
2階のライブラリーには、横尾忠則のスケッチのブックスライドショー(約20分)が動画として映されていました。1冊のスケッチブックを展示することは難しいですが、スライドショーにするのは妙案だなと思いました。
横尾忠則のボールペンで描くラフなスケッチはどれも味があって、作品として十分に鑑賞できるものでした。あんな風にサラサラ〜と絵が描けるようになると人生が楽しそうです。
➢ 地下1階の様子
➢ MMMとは
MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)は、gggから徒歩約10秒。DNPアートコミュニケーションズが運営するミュージアムショップ。地下1階から3階で構成。どのフロアも面積は広くないため、サクッと見終わります。
➢ まとめ
いかがだったでしょうか。このような場を無料で提供してくださり、DNPには感謝です。作品のキャプションがなかったため、比較的サラ〜と作品を鑑賞しましたが、横尾忠則に対する興味が俄然と湧いてきました。是非、近いうちに横尾忠則現代美術館(兵庫)に行く機会を作りたいと思いました。