展覧会レビュー:紅白 夢の競演!-さまざまな国の”赤”と”白”-@文化学園服飾博物館
文化学園服飾博物館には初訪問。500円とリーズナブルで、展示内容もコンパクト、服に対する見識を深められて楽しかったです。
何かのweb広告でこの展覧会のことを知り、文化学園服飾博物館には行ったことがなかったので、これをいい機会に行ってみることにしました。
色々と美術館や博物館に行きましたが、小さいところも含めて探してみると、まだまだ知らない美術館や博物館がありますね。
文化学園服飾博物館の隣には、文化学園大学があります。
学校法人 文化学園は「服装の改良こそ新しい日本の発展と文化の向上の出発点である」として1950年にスタートした日本初の洋裁学校です。
雑誌『装苑』も文化学園によるものなんですね、知らなかったです。
今回の展示は、「赤と白の服」にテーマを絞って構成されています。
色一つとっても様々な目的や効果があり、世界共通のことも多かったです。
白:純白、穢れを寄せつけない、無垢、平等、熱を溜めない、など
赤:魔除け、祝い、火を表す、力の象徴、春を意味する、など
地域によっては、身分の高低、財産の有無、既婚・未婚・寡婦、出身地なども色によって一目でわかるように、仕組み化されていました。
そこから敷衍して、「服のチカラ」とは何か?改めて考えさせられました。
私は普段、白・黒・青を多く着ています。白シャツを着ると自分も澄み切った気持ちになります。服は人の心を表し、服で人の気持ちは変わります。
ユニクロのUT(グラフィックTシャツ)は、「WEAR YOUR WORLD」をスローガンとして、着る人の個性を際出たせています(そういえば、この展覧会では触れられていませんでしたが、ユニクロのロゴも赤と白ですね)。
私は「服のチカラ」に今まで助けられてきたので、服などを使って意識的にトガった自己表現をする人を見るとつい嬉しくなってしまします。
もとい、この展覧会では、様々な国の衣装や、そこに由来する文化を知ることができて面白かったです。こういったものを収集し、世の中に広めることは文化的な価値があると思いました。
中には、ラフシモンズが2012年〜2016年にアーティスティック・ディレクターを務めた時期のDiorのドレスも1着展示されていました。
東京都現代美術館で開催中のDiorの展覧会は、全く興味がありませんでしたが、少し行きたい気持ちに傾いてきました。アパレルなどのブランドをフィーチャーした大抵の展覧会はプロダクトをただ置いただけで、感想が「かっこいい、綺麗、すごい」だけになることが多く、その展覧会から学ぶことが少ないのであまり興味が湧きません。Dior展の場合、どうなんでしょう?
この展覧会では、個別のキャプションに英語表記がないのが気になりました。新宿という土地柄、外国人のお客さんもいらっしゃったので、セクション解説だけでなく、英語のキャプションは全部つけた方が親切です。
2階にある文化学園を紹介する映像と、この展覧会の特集映像はコンパクトでわかりやすくて良かったです。パネルなどを使って年表形式で文化学園の宣伝をもっとしたらいいのでは、と思いました。
各展示室に監視員がおらず、受付の人が監視カメラで見ているのは珍しいスタイルでした。そのため、展示室内ではある程度の会話もできそうです。
総合すると、料金は500円と良心的だし、展示内容もコンパクトで気軽にサクッと服について見識を深めることができたので楽しかったです。
派手さはありませんが、服に1mmでも興味がある人にはおすすめです。
展覧会名:紅白 夢の競演!-さまざまな国の”赤”と”白”-
場所:文化学園服飾博物館
満足度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
会期:2022年12月9日(金)~ 2023年2月14日(火)
アクセス:新宿駅から徒歩約10分
入場料(一般):500円
事前予約:不要
展覧所要時間:約1時間
混み具合:休日でも快適
展覧撮影:展示室内は不可
URL:https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/ https://museum.bunka.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/02/48b526e54792ea0390957dc19a31c8a6-1.pdf
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