2021.2.10 世の中観測記録。
森さんの発言について。最近いろいろな意見を目にし、耳にし、自分でもいろいろ考えてしまいました。(楽しくない話です、興味ない方はすみません、。)
まず、国際的な影響力を持つ方があのような発言をされた背景には、女性差別だけで終わらない問題があると思います。
本来会議に必要なはずの”わきまえない人間”が、厄介者扱いされがちという問題。この当事者は性別問わずいます。そして今回、森さんは彼らを会議を長引かせる厄介者と見做す間違いに加えてそれが女性だと言った。性差別と、「意見する者」への牽制。二つの間違いがありました。
加えて、国際社会から軽蔑された、という批判もありますが、その批判は最後に置くべきだと考えます。結果でしかないことなので。(しかし、結局のところ一番わかりやすく日本に暮らす人にとっての不利益となるのはこの部分でしょう。オリンピックの公式Twitterがヘッダーをすでに北京にしていることなどを見るともう呆れられてしまったのかな、、と勘繰ってしまいます)
ところで、この森さんの発言を受けて、ネット上では #わきまえない女 という運動が起こりました。発言で一番こけにされたのは"女性"ですので、当事者が怒るのは当然かと思います。
そこで、私も度々観ているChoose Life Projectという番組で全員女性登壇者の番組 #わきまえない女 がネット上で配信されました。世論形成を意識した番組の構成として、私はこれには乗れない部分がありました。
森さんの発言は女性差別という点だけでなく、「会議という場でのパフォーマンス発揮に性差がある」という間違った認識に基づいています。ハッシュタグには連帯して抗議するという面があると思いますが、そこにジェンダーを持ち出した抗議となったことに違和感がありました。
森さんの発言は間違っていたし、これが日本に存在している歪みの変わるきっかけになれば、と思った人は女性だけではなかったと思います。森さん的な人たちの土俵に乗る必要はなかったのかなと思います。
さらに、大きな反響のあったわきまえない女たちムーブメントに続いて #変わる男たち というタイトルでも同番組で全員男性登壇者の番組が組まれました。なるほど、女性の意見を聞いたあと、男性の意見も聞いてみようということだったのかと一瞬納得しかけましたが、やはり男とか女とかにこだわりすぎていて、危なげな感じもある。
こちらにはすぐに登壇者からも批判の声が上がってしまい、番組は中止、仕切り直しとなりました。男性しかいない場で男女平等を語ることに疑問を感じた人が多かったようです。
先日、早稲田大学の演劇博物館で行われていたInside/Out ─映像文化とLGBTQ+へ行ってきましたが、題材として登場するセクシャルマイノリティは多くても、当事者が監督した作品は無いといってもいいほど少ないことが指摘されていました。Twitterで確認したたけですが、二つのハッシュタグを見て複雑な気持ちになった方は少なくなかったようです。
たかが言葉ですが、言葉の影響力はとても大きく。トップが間違えた時に、それを注意できる人が周りにいないという日本全体が抱えている問題へ抗議するのに、ジェンダーで分断するような言葉を使う人が多かったこと、これはひとつ自分ごととして考えないといけないことなのではないかと思います。
などと考えていたら、そもそも森さんそんなに悪いこと言ったかな?という意見もけっこうあるようですね。悪気があったわけじゃなく、言っちゃいけないことを言っちゃっただけなのでは、そういう人なんだから責めても仕方ない、という意見。全文読んでも明らかな失言、国際的にもアウト、最悪の形でのオリンピック中止、日本の国際的影響力の低下、、、と考えていたので目から鱗でした。同じ日本に暮らしているからこそ恥ずかしいし、反省して欲しいし、一緒に変えていきましょうね、、という気持ちになるのですが、、そもそも悪い人では無いから、悪いことでもない、としてしまうのはどうなんだろうか、、。
ミャンマーではクーデターへの抗議デモで人が亡くなったという報道もあります。日本は軍とも友好関係を築いてきたようですが、米、中との関係の中でどう振舞うのか、非常に難しい立場のときに、日本の政治ガバナンスに問題があることが世界に露呈したと思います。
長々と失礼しました。