9年ぶりにジェルバ島へいく 5
チュニジアといえば、昔は日本人が、『オヤジカフェ』といって名付けるほど、オヤジたちの聖域だった。
小さい小さいカップに甘い甘いコーヒーが入っていて、すぐに飲み干せるんしゃない?と私はかつて思っていたが、ほんの少量の、その濃くて甘いコーヒーを、日がな一日、オヤジ仲間同士でちょびちょび飲みながら会話やタバコを楽しみ続ける。
それがおおかたのカフェの風景だった。
ちなみに、女性の入れるミックスカフェはまだ少なかった。南部だったから、というのもあるだろう。
ところが。今回、驚くべきことに若者たちが占拠するカフェが増えており、しかも仕事の昼休みでやってきてカフェでお弁当を食べており、何も注文していない女性らを発見!
はたまた男性が来ないものとしているのか、ソファで仮眠をとっていたり、噂話に興じている女性たち、、、。
これには恐れ入った。
各カフェにはほぼwifiが通っていて、出歩いてもカフェに入ればネット環境オッケーだ。
うちにいる時、カフェにいるとき、友達の家にいる時は困らない。ただ、道端を歩いている時に連絡を取る手段は持ち合わせていない。
日本だといつでもどこでもつかまえられる。
でもそうならない場所も貴重だなと思う。
久しぶりに日曜のスークリービアに行ってきた。
スークリービアとは、その名前からしてリビアが入っているのだが、リビアのものが商人によりかつて、チュニジアにも決まった曜日に入ってきており、今ではヨーロッパからのものも中国のものも、古いものから新しいものまで色々と安くで買えたり、高くで売られていたりと、いつもとまた違う品物を物色できる、大型の青空市である。
内容的には、洋服から靴から本、おもちゃ、生活用品、食べ物、、、とにかく何もかもが売られているのだ。
この日は玉ねぎがいきなり1キロ、50円というので勢い買って、家に持ち帰りおみやげにした。
冷やかしで行ったが、以前との比較で色々見られて楽しかった。
今回はバスを中心に利用しているが、このスークリービアのあとはバスで海沿いを走った。
とにかくバスは安い!だいたい島の中のどんなに遠いところでも50円くらいかなあ。
タクシーの値上がりが凄過ぎて、なかなか利用する気になれないが、バスはいろんな人との会話も楽しめるのでやはり良いなと思う。
ネックは、バスステーションまで家から遠いこと。。
海を見ているだけで、風に吹かれてかなり気持ちがスッキリしてくる。
この島に住みたいなあと思う。
こんな海辺のバス停をみると、かなり絵になるなあと思う。
バス停では必ず誰かが誰かと初対面なのにおしゃべりを楽しんでいる。
5月4日は、毎年、ユダヤ教の人たちがこの島に集まり、グリパのシナゴーグへ向かう。
2002年にはたしか、爆破テロが起こったことがあった。
世界中からユダヤのひとたちがやってくるので、5月初めは空も海も陸も軍隊や警察が忙しく動き回っている。
シナゴーグもステキなんだよなあ。美しくて。
チュニジアはソフトなイスラムの国であるが、でもユダヤのひとたちもかなり住んでいて、ジェルバでは穏やかに共存している。
それぞれの大切な教えを守りながら、違いを感じながらも共存して生きている。
違いというものを体得的に学びながら大人になっていっているのだ。
そこは、島国の日本、日本人が外国人を根本的には受け入れるということが難しい現状と比べて、随分進んだ考えをみんなこっちでは持っているように思う。
今年はラマダン明けて、お祝いのライード、そのあとすぐにユダヤ教の集まりが世界からあるので、ジェルバが騒がしい感じ。
でも日常は今日も穏やかだ。