親孝行ってなんだろう?

親父は強い。賢い。間違った判断をしない。
頭が上がらない。
私の中の親父のイメージだ。

私の中のスーパーマンは、凄すぎて嫌いだった。

「本を読みなさい!」「勉強しなさい!」
「国語、社会は楽しいぞ!」

幼い自分にとって全くと言っていいほど、理解出来なかった。

楽しいとは、ゲームや友達とふざけあって遊ぶことでしょ!
後はサッカーをやって試合に勝つことが楽しいことでしょ!
と自分の価値観押し付け合いだった。

そのため、親父が好きな文系はまるっきり弱く、理系人間に育った。

☆☆☆

親父の口癖は、家族を大切にしなさい。
責任の持てる人になりなさい。このことをよく言っていた。

よくわからなかった。

責任って何?
自分の人生なんだから自由に生きたらだめなの?

この答えは、39歳、今の歳で家族、子どもを持つようになり、また仕事の立場なども変わり身にしみてわかるようになった。

言葉で説明したところで、それは表面上の説明になってしまう。

今まで積み上げた段階の重みや、家族の大切さはその人の時間の経過でしかわかりはしない。

☆☆☆

今親父はお袋の介護で精神的にやられている。
定期的に電話連絡はするが、あれだけ頼もしくおもえた親父がネガティブ発言を連呼するようになっていた。

「何とかなるよ。」「大丈夫!」
と声をかけてあげるが何も出来ていない自分に涙がでてくる。

「何か必要な物いる?」「物資や金銭でも必要であれば言ってほしい」
と伝えると、
「物やお金は大丈夫だ。」
「ただ会えないのが寂しい・・・。」

孫たちの元気な写真を見せてくれるだけでも、ほんとうに元気なるんだよ!

「そうか!」「わかった。」「送るよ!」

定期的に写真や動画を親父に送るようになった。

☆☆☆

今、子どもたちはドンドン大きくなり兄弟喧嘩も毎日のようにしている。
喧嘩もするが、笑い声もたえない。

そんな子どもたちに
「家族を大切にしなよ!」「責任の持てる人になりなよ!」
とまるであの時の親父を思い出したかのように話をしていた。


私が思う親孝行は
今を一生懸命生きて、次の世代へ親の教えをしっかり伝えなければならいことだと思う。

この体には親父の血が流れていて、気が付いたら行動や言い方、笑い方までもあの時の親父そっくりになっている。

まだ亡くなってもいないのに、この文書を書いているだけで涙がでてくる。
歳をとった証拠だろうか。

これからも親孝行は続けたい!

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