【健康】手遅れになる前に疑って #男性更年期障害
最近、パートナーがおかしい。
いつも機嫌がよくて、やさしい人なのに。
テレビを見ているときや、帰宅後の決まった時間に、スイッチが入ったように機嫌が悪くなる。
聞かされるのは、悪態、悪口、文句。
こんな時は、なにを言っても無駄だ。
何かをしたり、何かを言ってしまうと、火に油を注ぐ状態になってしまうのだ。
こうなってしまったら、その時間が過ぎ去るのを待つしかない。
そのきっかけから数時間が経つと、何事もなかったように
普通の人に戻ってくれるから。
オットさんのスイッチがどこにあるのか、いつ、どのタイミングで入るのか、私には皆目検討がつかないのだ。
そして、たちが悪いのは、本人に自覚が全くないということ。
「最近、仕事に追われてんだ。」とか
「思い通りにいかない」とか、そのせいにしている。
子どもの言動一つ一つにも、イラッとしてしまうらしく、
(まあ、思春期、反抗期真っ只中のムスメなので)
スイッチオンのときには、なにをやっても気に食わない。
イライラする父親に我慢がならず、ムスメまで
「もう、離婚してしまえば?」などど言い出す始末。
この人、こんなんだったけな?
この違和感は、何だろうか。
冷静になって考えてみれば、この状態は今すぐに始まったわけではなく、
数ヶ月前からだんだんと
イライラする時間が多くなってきていたかもしれない。
彼が「扱いにくく」なってきた頃から、
わたしは正直、「めんどくさいな」と感じていた。
見て見ぬふりをしてきたと言ってもいい。
私自身も、更年期障害にまつわる体調不良に悩まされていることもあり、
オットのことまで考える余裕もなかったのだ。
彼自身人一倍健康に気をつかってきたこともあり、自分が「調子悪い」なんて本人も考えられなかったのかもしれないが、
その様子を、わたしは久しぶりに実家に帰ってきた医学生の長女に相談してみた。
「あ、それね、きっと男性更年期障害だと思うよ。」
ん!!
そうなのか?
男性更年期障害のサイトをいくつか探してみると、まさに私と同じ経験をしている女性がいた。
「これ!うちと同じ・・・」
男性更年期障害のチェックリストを見つけたので、やってみると、
これもこれもと、思い当たるところばかり。
そうか。
オットさん自身がおかしくなったわけではなくて、更年期障害の症状だったんだ。
でも、病院に行ってくれるかしら?
女性の病気は、産婦人科と広く知られているけれど、
男性の場合はどこに行けばいいの?
男性の生殖器全般に関わる疾病は、泌尿器科で診察可能ということも、教えてもらって初めて知った。
地方都市で男性更年期障害を診察してくれる医師はまだ多くないけれど、
なんとか探すこともできた。
次の日。
「怒らないで聞いてほしいんだけど」と前置きをして
・最近、イライラしている時間が多くなってきている気がする。
・あなた自身に自覚がないかもしれないが。
・家族のみんなが気を使って生活をしていて、これは困ると思っている。
・あなたが悪いのではなく、男性の更年期障害のせいなのではないか。
・男性の更年期障害は、気が付かないことが多くて、そのせいで人間関係が上手くいかなくなってしまい、離婚や離職につながることもある。
・前立腺がんのリスクも高くなる年齢でもあるから、専門医にかかって
ほしい。
相手を責めるのではなく、「心配している」こと、治療によって改善することをわかってもらえるように話してみた。
そうすると、本人、案外すんなりとわかってもらえたようで、
私が探してきた病院に予約を入れることも了承してくれた。
父親に文句ばかりだった次女にも話をして、わかってもらうようにした。
「まあ、病気なら仕方ないね・・・」
長女いわく「更年期障害って、病気じゃないんだけどね」
更年期は、内分泌の問題であり、誰にでも起こること。
ただ、個人差が大きく、ほとんどわからないまま終わってしまう人もいる一方で、心身の不調が長期化したり、重篤化したりする人も。
さらに、そこから病気につながる要因があまりにも多かったり、日常生活に支障が出るほどのしんどさがあったりするから、ようやく社会的にも認識される障害になってきたそうだ。
一昔前であれば、55歳で定年なんていう時代があったから、
50歳をすぎて仕事や生活のパフォーマンスが落ちたとしても支障は少なかったのかもしれない。
でも、今は定年年齢がどんどん伸びて、50歳からもこれまでと同じパフォーマンスで働けなければいけない時代になってしまった。
私たち自身50代になっても、意識としては40代くらいに思っているところもあるのかもしれない。外見上も、一見若々しく見える人がなんと多いことか。
「シニア」なんて、まだまだ言われたくない。
でも、である。
体は年齢に正直というか、ちゃんとなるようになっているのだ。
女性にある更年期障害が、男性にもあるなんて。
まだまだ若いと思っていたオットさんにやってくるなんて思いもしなかった。
もし、あなたのパートナーが最近おかしいな?と感じるなら、
男性更年期を疑ってみてください。
けんかや言い争い、嫌な思いを我慢して、
離婚や別れにつながってしまうまえに
相手をよく観察し、話し合ってみてください。
あのとき、こうしておけばよかったと
後悔しないためにも
女性の更年期障害だけではなく、男性の更年期障害についても
お互いに知っておく必要があるのだと思います。