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辛いのは子どもだけではない #不登校の親 4

不登校についての記事が連日アップされていますが、とあるオンラインフリースクールが保護者にアンケート調査を行った結果が公表されました。

不登校といっても、フリースクールにつながれる子は、まだまだ少数派です。そのなかで調査されたアンケートですので、同じように思っている、感じている保護者は、全国にも相当数いるはずです。

私もその一人なのですが、
娘の不登校が始まって2か月、そろそろあきらめというか、「こういうものだ」と割り切って生活できるようになりましたが、不登校になってすぐのころは親もパニック状態になり、持病のうつ病も悪化し、毎日「死にたい」と思っていました。
もちろん、仕事をしていることを自責しましたし、こんなことなら仕事を辞めようかと思い、退職するつもりでおりました。

公務員ではありますが、「介護休暇」「子の看護休暇」などの制度はありますが、子どもが不登校になったときの長期休業や休暇の制度はありません。
いろいろと策を尽くして休職する方もいるようだったのですが、正規のものではありませんので、私事理由による休職、退職をするよりなかったのです。

もう、いっそのこと退職して、ある程度時間の融通の利く臨時採用や支援員になろうとしたのですが、夫や周囲が猛反対をしたので、ほぼあきらめながら仕事を続けています。

うちの場合は、子どもが中学生だということや、命の危険があるような状態を脱していること、すぐ近くに祖父が住んでいることなどのプラス要因があるため、なんとかこうして仕事を続けていますが、不登校の子がいるご家庭は、経済的にも厳しくなるのではないかと思います。

フリースクールも、月謝がかかります。N中など、ネット中学も、相当な学費の負担があります。
また、公立の学校でも、登校をあきらめきれない親御さんであれば、教材費、給食費など、表立って見えない支出がけっこうな額であるのです。

我が家の場合は、早々に給食を止めてもらいましたので、今現在給食費は払っていません。教材やワークは、年度初めに購入してしまったので、できる教科はやっていますが、授業をうけなければできないものは、まったく無駄になってしまっています。

入学時に購入した制服や、かばん、学習用具など、今は使っていないものが多くあります。その時の出費もかなりなものでした。

学習の面だけではなく、給食がない分、家で食事を取ることになります。
食費、光熱費、水道代などが、以前よりも増えることになります。
さらに、通院費、治療費など、病院関係の支出もふえます。

仕事を辞めたり、減らしたりすることで、収入が減るにもかかわらず、
支出が増大するのです。

家族の中でも、不登校を理解してもらうまでに相当な時間と説得が必要でした。
心無い祖父母の言葉や言動だけではなく、一番きついのは、父親の無理解、非協力ではないかと思います。

「学校なんて行って当たり前だ。」
「甘やかすから、こうなるんだ。」
「学校に行けなかったら、これから先はないぞ。」

そんなことを言いながら、娘にきつく当たるオットに一番腹が立ちました。

小学校での習い事拒否、塾を途中でやめる、学校への行き渋りから、
発達障害が見つかるまで、私自身もものすごく辛かったです。
言ってもわかるものでもないし、理解してもらえなかった。

今、完全不登校になって、2年かかってようやく理解してもらえるようになりました。

それは、オットや祖父(ジジ)が、ちゃんと娘を理解しようとしてくれたからだと思います。
そうでなけでば、お母さんがすべて抱え込んでしまうことになるのです。

学校からの支援を受けることができなかったという保護者が8割という結果にも、やっぱりそうだったのね感があります。

現場の先生方はとにかく多忙です。
一人ひとり状況が違う不登校に対応する時間と余裕はありません。
親御さんは、とにかく「自分の子供を理解してほしい。なんとかしてほしい。」と切望するのですが、先生自身にも、そこまでの知識や技量がないことも確かです。

学校に来ている子どもたちに対応することでいっぱいいっぱいなのです。

各学校に、「教室登校できるまでに利用できる教室」を設けていることが多いですが、その教室を担当できる教員がほとんどいません。普通の教科指導をしながらの兼務になります。
ですから、「まずは学校に来てくれること」が前提となってしまうのです。

五月雨式に登校してくる生徒に丁寧に対応できる学校はほぼありません。
大きな学校になればなるほど、利用者が多くなり、ある程度利用のためのルールがなければ、そのシステム自体がパンクしてしまいます。

別室登校のために、面談が必要なケースが多いですが、そのハードルが高い子もいます。不登校からの復帰にかならずしも別室登校は必要ではない子もいます。それぞれのケースは、親御さんが判断するしかないのが現状です。

学校とのやり取りや、家庭訪問、スリースクール、社会福祉の手続き、病院の手続きや通院など、普通に考えたら、一人でできる量の業務ではありません。
でも、今の社会の現状であれば「自己責任」のもとに、不登校は「親の責任」になってしまっています。
こどもがたくさんいる家庭、パートナーの協力が得られない家庭、シングル家庭など、厳しい現状にある不登校の親御さんがたくさんいるのです。

不登校で大変なのは、義務教育の期間だと多くの人がいいます。
うちも同じです。
義務教育期間は、選択肢がないのです。

学校に行けなくてつらい、悲しいというのは、
子どもだけではありません。
彼らを支える家族の方が、様々な負担を強いられる現状を、
上に立つ人たちに、しっかりと見てほしいと強く願っています。

♯不登校の親

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那珂(なか)
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