D判定からの大逆転合格!小論文指導を通して学んだこと
皆さん、こんにちは!今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
今回は、先日YouTubeでもお話しした、D判定から見事合格を勝ち取った生徒の小論文指導を通して私が感じたこと、学んだことを改めて綴りたいと思います。
総合型選抜の小論文指導、それはまるで嵐のよう
毎年この時期は、総合型選抜の小論文指導で、先生方はまさに大忙しですよね。私も過去には、まるで洗濯機の中でぐるぐるかき回されるような日々を送っていました。そんな中、今回お話しする生徒との出会いは、私にとって忘れられない経験となりました。
元気いっぱいの歴史オタク
その生徒は、とにかく元気でエネルギッシュな男の子でした。
バスケットボール部に所属し、毎日部活動に励む一方で、歴史が大好きで、まるで歴史オタクのようにいつも歴史の話で友達と盛り上がっていました。
ただ、少しばかり自分の思い込みが激しく、周りが見えなくなってしまうこともありました。
勉強面では少し苦手なところもありましたが、持ち前の素直さと一生懸命さで、高校3年生になり、自分の志望大学に向けて勉強に励んでいました。
D判定からの挑戦
ところが、共通テスト(当時はセンター入試)の結果は、第一志望の大学の基準には届かず、第二志望の大学に回ることになりました。
しかも、その大学の小論文の判定はD判定。通常、D判定を覆すのは至難の業です。
しかし、彼はどうしてもその大学に入りたいという強い意志を持っていました。
指導方針の転換
私が担当することになった小論文指導で、まず最初に感じたのは、彼の文章のずれでした。
一生懸命書けば書くほど、ずれが大きくなっていく。そこで私は、彼に短く分かりやすい指示を徹底的に守らせる作戦に出ました。
●紙に短く書く
●構成図を作る
●何度も見直す
この3点を徹底的に守らせ、毎日、何度も何度も添削を繰り返しました。彼のエネルギーは凄まじく、1日に何度も添削にやってくることもありました。
試験前日と合格発表
試験の前日、彼はまたずれのある文章を持ってきました。しかし、最後に「これだけは守る!」という項目を復唱し、試験に臨みました。
試験後、彼は「できた!」と報告してくれましたが、「できた」と言う生徒は怪しいというジンクスがあったため、少し不安に感じていました。
しかし、合格発表の日、彼の名前を見つけた時、私は言葉にならないほどの感動を覚えました。
担任の先生と抱き合って喜び、彼の努力が報われたことを心から嬉しく思いました。
合格の鍵は、生徒自身の持ち味
後日、彼に答案を再現してもらったところ、そこには彼の歴史好きという特性が生かされた、大学のアドミッションポリシーに合致する内容が書かれていました。
具体例として、坂本龍馬とガンジーを挙げ、武力ではなく合意形成で解決すべきという内容を、彼自身の言葉で述べていたのです。
この経験を通して、私は生徒の持ち味を最大限に伸ばすことの重要性を改めて認識しました。彼の歴史好きという特性が、小論文という形で開花したのです。
今後の生徒指導に向けて
この生徒との出会いは、私にとって大きな学びとなりました。
彼の卒業後も、SNSで彼の活躍を見るたびに、教員としての喜びを感じます。
この経験を活かし、これからも生徒一人ひとりの個性を大切に、その持ち味を最大限に伸ばせるような指導を心がけていきたいと思います。
この記事が、先生方や教育関係者の方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!