日本語教師の就職活動
2020年の9月に日本語教師養成講座の実習を終えました。
(日本語教育能力検定はすでに2017年に受験して合格していました。)
2021年の4月から次男が幼稚園に入園することになっていたので
年が明けてから日本語教師の求人を見るようになり、いくつか面接を受けました。
今日はそのことについて書こうと思います。
養成講座にいるときからとりあえずまずは「日本語学校で非常勤講師」として働くということを考えていました。
むしろそれ一択しかなかったです。
養成講座を修了して思ったのは(途中出産で休学してブランクができてしまった私はよりいっそう)「とにかくまだまだ勉強しないといけない。」ということでした。
長引くコロナ騒動のせいで日本語学校の求人は本当に少なかったのですが、今住んでいるのが東京ということもあり、全くないというわけではありませんでした。
日本語教師の就職活動①A校。
はじめての日本語教師としての就職活動はA校でした。模擬授業はみん日28課の「ながら」。
導入だけして、練習などは不要、だいたい10分~15分でということでした。
ここは教務の先生が一人で最初に面接をしていただき、それもとても和やかな雰囲気で、緊張もほぐれてきたところで模擬授業をお願いしますと言われました。
模擬授業が終わってからは良いところを褒めていただき、ここはもうちょっとこうしたら良いよというアドバイスもいただき、
とにかく教務の先生が優しかったです。この学校からはぜひ採用したいという連絡をいただいたのですが、
なんと私のほうから断ってしまいました。
実はもう1校応募して書類審査に合格していたB校がとても気になっていたのです。でもB校の選考はまず学校見学と説明→模擬授業→役員面接という長い道のり。返事をずっと保留にしておくのも申し訳ないと思い、いさぎよく断ってしまいました。
これは後々後悔することになります!笑
・B校は新しい校舎でピッカピカ!(A校は建物が古い。。)
・B校のほうが家から近い。
・B校は電子黒板を使用しており、パワポなどを利用して授業ができるので長い目で考えると経費削減になる。
・B校は子供の風邪などで急遽休まなくてはいけなくなっても学校側が代講をたてます、ということを(質問する前に)言ってくれた。
・B校がある街が好き。
主にこんな理由でB校に興味を持っていました。
そしていざB校の模擬授業へ!
日本語教師の就職活動②B校。
B校の模擬授業はみん日の17課。「~ないでください。」でした。
60分~80分ぐらいの教案作成をするよう指示あり。でも当日は30分程度で授業をお願いしますとのことでした。
また、事前に教案をメールで送らなければなりませんでした。教案をメールしたけれど、別にチェックをしたわけではなさそうで、「拝受しました」というメールをいただき、当日模擬授業に臨みました。
見ていただいたのは教務の先生+2人。合計3人生徒役で参加してくださいました。導入だけでなく練習もし、ところどころ「じゃあとばしてください」という指示があり、一応教案の最後まで披露する形でした。
楽しい雰囲気は全くなく、この上なく緊張してしまい撃沈。。。ない形のフラッシュカードに未習語彙を入れてしまってつっこまれたり、その語彙の説明もイマイチできずめちゃめちゃ自信を失いました。
そして模擬授業の後のフィードバックも良いところを言ってくれた先生もいましたがなかなかのシビアなコメント続きでもう心が折れそうに。。。
そして案の定不採用でした。でも心のどこかでホッとしていました。だって教務の先生何かコワい。。
やさしかったA校の教務の先生がめちゃめちゃ恋しくなりそうでした。
そしてA校を断ったことをすでに後悔していたのでした。
でもB校を受けて良かったのは模擬授業で電子黒板を使用できたのではじめて教具をパワーポイントで作ったこと。今までそんなにパワーポイントを使ってこなかったし、それほど得意というわけではなかったのですがこれを機に使ったことのないツールを使って作ってみたりしてそれは結構勉強になったなぁと思うのです。
B校の魅力はとにかく最新の設備!!!!
日本語教師の就職活動③C校。
B校の不採用後まもなく求人を見つけたのがC校でした。
求人が出る前から気になっていたC校。
求人が出てめちゃめちゃテンション上がりました。
C校は
・とにかく研修がしっかりしていそうで最初だけでなく入社してからも勉強会などの機会が沢山ありそう。
・アクセスが良い
・クラスは比較的少人数(18名まで)
・授業開始が9:15~(日本語学校、8:45~9:00というのが多くて、幼稚園に預けられるのが早くても8:00~なのでそれによって選択肢が狭まる。)
・準備時間としてひとコマ分+してお給料をもらえる。(4コマの授業に対して5コマの給料を出してくれる。)
色んなところからもアクセスしやすい立地でこの条件。日本語教師の就職難の中で確実に人気だろうな。。と思いつつも勿論応募。
こちらは書類審査が通り、まずは面接でした。
面接してくださった校長先生は事前のメールのやり取りでも感じが良かったのですが実際にお会いしてみてもとても感じのいい先生で、わたしの話も熱心に聞いてくださいました。
その後、模擬授業の代わりに教案提出のお題が出されました。
内容はみん日の46課。1週間くらい時間をいただいて教案をメールで提出しました。
そして結論から言うと不採用でした。
しかもめちゃめちゃ長いメールでびっくり。
なんと教案に対するコメントをかなりたくさん書いてくださったのです。
改善点だけでなく、良かったところも沢山書いてくださっていて、こんなあたたかな不採用メールははじめてでした。
「さらに今回はコロナの状況の中で多くを採用することができなかったけれど今回が最後のチャンスというわけではないのでもしいつかまたご縁があったら受けてください。」的なことも言ってくださって、
フラれたのに期待持たされる的な?でも本当に誠実な校長先生であることが終始伝わったC校でますますファンになってしまったのでした。
日本語教師の就職活動④D校。
面接4本目はD校。応募したのは2021年4月末でした。
4月になってからも留学生の入国のメドが立たなかったこの時期、ますます日本語学校の求人は少なくなってきました。
D校は家からあまり近くなくて応募するか悩んだのですが、あまりに求人がないので勢いで応募してしまいました。
書類審査が通り、面接によばれたのですが、こちらは面接のはじめのほうで15分ほど筆記試験がありました。面接官は校長先生と教務の先生でした。
出来はさんざんでしたが、先生曰く、テストの結果は合否には関係しないとのことでした。テストは今自分がどういう状態なのか認識してもらうため、とのことです。(真相は不明。)
面接で「なんで(テスト)できなかったと思う?」と聞かれたときに
「このところ日本語と向き合うことができていなくて内省ができていなかった。」と伝えたところ、なぜか校長先生がめっちゃアツく語りだしました。
「内省って言った人初めてで、ちょっと嬉しくてあつくなっちゃった、ごめんね。」と言われました。
その学校は日本語学校の中では珍しく全日制でかなり進学率が高い日本語学校のようでした。
学生もアルバイト目的の子はほとんどおらず、どちらかというと裕福なとこころの学生が多いとのこと。日本語学校の中でも、際立って進学目的色が強くとにもかくにも合格させることが一番!という感じで日本人が大学受験で浪人したときに行く予備校のようなイメージでした。学校の説明をしたら「なんか思ってたのと違うなー。」という感じで明らかにがっかりしていた応募者もいたよ、という話をしてくださったのですが、わたしもここの学校ではやっていけないかも、という気持ちになりました。
事前の研修はないし教案チェックもしない。教師は教科書ただ1冊わたされて授業のためのワークシートを作るそうです。もちろんワークシートは教務の先生が見てアドバイスをしてくださるとのこと、
「インターネットで検索する必要なんてない。日本人なんだから、日本語のネイティブなんだから、答えはね、ちゃんと自分の中にあるんだよ。最初は大変だと思う。ずっと日本語と向き合わないといけない。●●さんに、どれぐらい覚悟があるか聞かせてほしいな。」と言われたときにはっきりと覚悟があることを伝えられませんでした。
この学校で働くことは確実に勉強になるし日本語教師としてスキルアップできる。ついつい語りスイッチ入っちゃう校長先生は悪い人ではなさそうだし、教務の先生も比較的若くて相談しやすい先輩感がめっちゃ出てる。でも、なんか・・・・自信ないな。
その気持ちが完全に伝わったと思います。
わかっていました。日本語学校に就職したらたとえ週2の授業でも生活は日本語漬けになること。子供二人を育てていて下の子は3歳、まだまだ手がかかるし自分の時間は限られている。日本語漬けになったら生活はどうなるのか。余裕がなくなってイライラして、家事もおろそかになるだろう。わかりつつもチャレンジしようと思っていました。だって経験のないわたしには「日本語学校で非常勤講師として働く」ことしか第一歩はないと思い込んでいたから。でも校長先生にまっすぐ見つめられて覚悟があるかと問われると尻込みしてしまう自分がいました。
ちなみに結果は不採用でした。家から近くないということもあって、全然ショックではなかったです。でもこの学校での面接はとても印象に残りました。
私は未経験だからまずしっかり研修してらって現場に出て経験積んで・・という考えがとても甘かったということに気が付いたからです。だから「答えは自分の中にある。」という校長先生の言葉がめちゃくちゃ刺さってしまったのです。
最後に「僕たちも、大学に行くための勉強をさせるとかより、いつかは一番困ってる〝子供たち〟に教えたいよねって、いつも言ってるんだ。ほんとはね。」と校長先生が言っていました。
自分のやりたいこと
自分のやるべきこと
イコールでなかったら?
イコールでなくてもまずやるべきことをやっていつか夢をかなえる?
それとも
最初からやりたいことをやる?
わたしは日本語漬けになりたい?
子どもたちとの時間を犠牲にして急ぐ必要ってある?
本当に進学目的のお金持ちの学生に日本語を教えたい?
その面接以降ずっとそんな疑問を抱えて過ごしていました。
そんなふわふわした気持ちで相変わらず求人をチェックする日々でしたが、
それ以降ますます日本語教師の求人はなくなっていったのでした。
ひとつ言えることは1校目で合格したからって自分に選ぶ権利あると思った私バカ野郎!!!!!!!!!!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?