【受動攻撃】をやめて健全に自己表現するには?
前回に「従順なふりをして反発する受動攻撃」についてお伝えしましが、
今回は、それではどうやったら健全に自分の気持ちを伝えることができるのかについてお伝えしますね。
会話をするときに、相手に怒りをぶつけたり、反対に自分の気持ちを抑え込んで我慢することなしに、自分の気持ちを率直に伝え、同時に相手の気持ちも尊重することができれば最高ですよね。
そんな自己表現の仕方をアサーティブ・コミュニケーションといいます。
アサーティブ・コミュニケーションとは
具体的には、
1. 自分の気持ち、考え、意見などが、正直に、率直に、その場に相応しい方法で表現される。
2. 意見や考えの食い違いが起こったときは、お互いの意見を出し合って、譲ったり、譲られたりしながら、双方にとって納得のいく結果を出そうとする。
3. 相手も自分も満足でき、お互いさわやかな気持ちになれる。
・・というものです。
そのためには、何よりも自分も相手も大切にする姿勢が必要です。
そして、
・自分の気持ちをちゃんと感じて尊重すること。
・気持ちを伝えても大丈夫という自分への信頼があること。
・相手のことを信頼して、自分の気持ちを率直に正直に表現すること。
・積極的に相手に歩み寄っていくこと。
・・が大切ですね。
それでは、具体的に問題が起こったときに、どういう風にコミュニケーションをすればいいのか?についてお伝えしますね。
コミュニケーションの仕方は、楽器を弾くとか外国語を学ぶのと同じで、
スキルとコツをつかんで少し練習すれば、誰でも上手にできるようになります。
アサーティブ・コミュニケーションの順序
自分も相手も大切にするコミュニケーションには、4つの順序があります。
① Describe 描写する
直面している事実(現在の状況や相手の行動)を客観的に把握して描写します。
ここでは意図や態度など、主観的な内容は含めないようにします。
② Explain 表現する
1.自分の本当の気持ちを明確につかみます。
「自分が今何を感じ、何を思っているのだろうか」ということが分からなければ、自分を表現することもできません。
人間はどんな感情も持つ権利があり、それは自然なことです。ネガティブな感情が沸き起こってもそれを避けたりごまかしたりせず、そのまま認めて受け入れましょう。
2.つかんだ自分の気持ちを、率直に、正直に、自分の表現方法で伝えます。
その時のポイントは、「私」を主語にする(Iメッセージ)ということです。
「私は・・・」という表現を用いることで、自分の気持ちを伝えやすくなる。
攻撃的表現になりがちな人は「あなたは・・・」と相手を主語にしていることが多いです。相手を主語にするとどうしても否定的になり、相手を責める口調になるので気をつけましょう。
迷っている、困っているというのが正直な気持ちであれば、そう伝えてもかまいません。
3.相手の気持ちも推測して共感してあげるとよい。
③ Specify 提案する
相手にどうして欲しいか(要求、現実的な解決法、具体的な妥協案)を分かりやすく提案します。
④ Choose 選択する
①、②、③で伝えた自分の言葉に対して相手の反応を待つ番です。
今度は相手の気持ちや意見を受容的に聞く姿勢を持ちましょう。
自分も素直に気持ちや意見を言っていいのと同時に、相手もそうです。相手には断る権利があることを理解していると、NOと言われたときにも「拒絶された」と傷つかずに、「じゃあどうしようか?」と自分の行動を選択できます。
この中で最も重要なのは、②の自分の気持ちをしっかりつかんでIメッセージで伝えることです。
怒りはほとんどの場合、本当の気持ちではなく、「悲しい、寂しい、怖い、がっかり、苦しい」などの気持ちの裏腹であることが多いです。
また、気持ちを言わないで「もうあなたとはやってけないわね」「どうせ私のこと嫌いなんでしょ」などと、思考の結果だけを言ってしまうと関係がこじれる原因になりますので注意しましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
今まで受動攻撃をしてきた人がアサーティブに気持ちを伝えようとすると、今まで内に溜めていた怒りを爆発させてしまったり、反対に声が震えて言えなかったり、泣いてしまったりすることがあります。
最初は言いたいことを紙に書いて、何度も読んで事前練習するといいですね。
受動攻撃をしてしまう人は根底に他人に対する不信感と「自分はいつも人から攻撃される」というビリーフがあります。
それは真実ではなく誤情報であることを自分のインナーチャイルドに言い聞かせながら、自分もOK、相手もOKの姿勢を身につけていきたいですね。
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