障害者施設集団感染の余波と、見えないものへの恐れ
夕方、私の携帯が鳴った。知的障害の兄が通う、障害者支援施設の相談員さんからだった。母、兄、祖母の施設から電話が来ると、私の心拍数は急上昇する。何か問題がなければ施設は電話してこない。
パブロフ的に身体が反射する。まだ通って6日目。何かあった?また大声出した?様々な不安がよぎる。覚悟を決めて電話に出た。相談員さんが早口で内容を告げてくる。
「お兄さんの利用を、通所から「長期入所」に切り替えても良いですか?急で悪いけど週明けから」
週明けは3日後、確かに急すぎる話だった。話