naomi

福島出身。SE、小学校担任、現在大学職員。小さい頃から家族問題と生きづらさに悩む。母の鬱病をきっかけに1歳の息子、96歳の祖母、知的障害の兄の4人同時ケアを経験。否応無しに彼ら、自分自身と向き合った中で見えてきたものなどを書いていく。コーチングプレイス認定コーチ、産業カウンセラー

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福島出身。SE、小学校担任、現在大学職員。小さい頃から家族問題と生きづらさに悩む。母の鬱病をきっかけに1歳の息子、96歳の祖母、知的障害の兄の4人同時ケアを経験。否応無しに彼ら、自分自身と向き合った中で見えてきたものなどを書いていく。コーチングプレイス認定コーチ、産業カウンセラー

最近の記事

夢なんて、いくらでも何度でも作り直せばいい

私は祖母のことを親しみをこめて「ばあさん」と呼んでいる。先日ばあさんは98歳になった。 ばあさんは、去年から福島の老人ホームにいる。もう数ヶ月会えていない。 誕生日の午後、電話するか迷っていた。「施設」というところは、だいたいどこも人手が不足している。家族からの電話を本人につなぐ仕事はオプション対応だ。お願いして断られることもある。でも今日はどうしても声を聞きたかった。 「今日は祖母の誕生日なんですが、お祝いを本人に伝えたいので、電話をつないでもらうことはできますか」

    • 変わらないもの

      世界がざわざわしている 人間もざわざわしている すべて変わってしまったのか 外では鳥たちが自由に飛び 雲はゆったりと流れ 花たちは嬉しそうに咲きほこり 春の風がふんわりと 若葉たちをやさしく揺らしているのに しんとした夜に まあるい月が光り どこかの星がいつかの光を届け 夜を反射した水たちが キラキラと海に向かって進んでいくのに すべて変わってしまったのか 静かに目を閉じる 今日も私の心臓は正確に動いている 昨日から続くこの鼓動は 明日へも続いてくれるのか わか

      • 障害者施設集団感染の余波と、見えないものへの恐れ

        夕方、私の携帯が鳴った。知的障害の兄が通う、障害者支援施設の相談員さんからだった。母、兄、祖母の施設から電話が来ると、私の心拍数は急上昇する。何か問題がなければ施設は電話してこない。 パブロフ的に身体が反射する。まだ通って6日目。何かあった?また大声出した?様々な不安がよぎる。覚悟を決めて電話に出た。相談員さんが早口で内容を告げてくる。 「お兄さんの利用を、通所から「長期入所」に切り替えても良いですか?急で悪いけど週明けから」 週明けは3日後、確かに急すぎる話だった。話

        • 焦る自分

          すこぶる焦る自分がいる。なんでこんなに焦ってるんだ?何者かになろうとして?評価を得ようとして?天職を探そうとして?これって今に始まったことか?振り返れば私の人生ってずーっと焦ってきた気もする。ゆったりと過ごせたことってあったかな? なんでこんなに焦る自分がいるのか。勉強しなきゃ、前に進まなきゃ、成長しなきゃ、稼がなきゃ。あれもこれも、それもどれも全然できてないじゃーん!早く早く、もっと加速度つけて早くー。 一体私は何に駆り立てられてるんだ? こんな自分にとことん疲れると

          嵐のあとには必ず真っ青な青空が待っている

          時々刻々と深刻さを増す日々の報道に、心底疲れ切っている方も多いと思う。平穏な日常を見えないものに徐々に侵食されていく怖れ。 溢れ出てくる情報のどれを信じ、どう受け止め、どう処理すれば良いのか分からない不安と焦り。世界中が、そんな重苦しく鉛のような重たい空気に包まれている感じがする。 こんな混沌とした世界の中で、私たちはこれからも生き抜いていかなきゃいけない。パンデミック、異常気象、震災、金融危機、家族問題、人間関係、病気や事故、仕事を失うこと。 これからもいつだって、予

          嵐のあとには必ず真っ青な青空が待っている