祝・3年10ヶ月かけてヘッドスタンドができた日
なぜできるようになったのか、客観的に分析してみた結論から言うと、「自分にできない事がある」ということを認めたことだと思う。
私は自分にできない事があるのが気に食わない。知らないこともあたかも自信ありげに出来ると言って、ギリギリどうにか間に合わせて本当に出来るようにするタイプだった。
何でもできる賢い子として12歳まで過ごしてしまった私にとって、出来ない自分は自分ではないと捉えるのである。おそらく、これが私のウィークポイントだ。
そういう私が、本当に出来ないと分かった時どうするかというと、なきものとして無視するのである。
ヨガのティーチャートレーニング(TT)を受け始める直前から週に3回以上ヨガに通い出し、TTに入ってからは目から鱗の体の使い方を学び、自分の苦手なこと、筋力の弱いとこ、筋肉の固いとこ、いろいろ見えてきた。
そんな中で、どう考えても出来る気がしなかったのが、ヘッドスタンドだった。
まず、三半規管に弱点をもつ私の平衡感覚は少し変なので、前転するだけで天地左右がわけわからなくなり、転がった先に自分がどんな体勢でいるのかもわからなくなる。後転なんて、ぐるぐるパニックだし必ず右肘が崩れ落ちて斜め横に転がる。
授業の中でヘッドスタンドをするタイミングがやってきて、えーいとやってみたら案の定、バターーーンと大きな音を立てて、背中がまっすぐのままマットに落ちた。
先生からはこういうステップで練習したら良いのではないかとアドバイスをいただくも、どこらへんに努力し始めたらこれが出来るようになるか自分には見当が付かず、しかも、難しいアサナができるようになる事がヨガの目標ではない、というのだから、私にはもうヘッドスタンドをやる意味が見つけられず、その時は別に出来なくなっていいんだ、ヘッドスタンドなんてものはない、という心の結論に至った。
やんなくていいことに時間を費やしはしないので、そこからはたまに壁に向かって勢いでドーーンと足を上げてみることはあっても、出来るようになる練習はしなかった。3年と8ヶ月くらい。。。
ほっとき過ぎの3年8ヶ月後の2022年10月、別な先生から、朝一番にヘッドスタンドをするのにはこれこれこういう意味があるという話を聞いて、久しぶりに出会ったヘッドスタンドさんが、ちょっぴり魅力的に見えた。
あ、今なら以前先生から教わった、ヘッドスタンドへの道のりの第一歩の練習をやれるかも知れない。
そう感じて、まずは、頭を置いてウディアナバンダを引き上げながら足先を手前に歩かせる、ことから始めた。
とにかく足は上げようとせず、お腹を引き上げることしかしないで1ヶ月経った。そこで試しに足を上げてみると、引き上がる手ごたえはまぁまぁあるものの、足は上がらずすぐに落ちた。
なのでその後も、引き上げだけを続けてもう1ヶ月。
また試しに足を上げてみると、上がりはしなかったが、お腹の引き込みの力だけで、お尻が上に上がる感覚を感じる事ができた。
こ、これだーーーー!
感覚を忘れないようにともう一回やってみたけど、最初ので力尽きたのか二度目はうまくいかなかった。うまくいった感覚を忘れたくないから、うまくいかないならもうやめとこうということで、その日はそこまでで終了。
そこからは毎日、あの感覚…と思いながら続けていき、ついに今週、膝を曲げた状態でなら引き上げる力だけで立てるようになった。
こうなってくると、焦って早くその先を求めてしまいがちだけど、今回はそうならないぞと決めて、また翌日も出来るところまでを行う。
そして数日たった2022年12月25日、ついに曲げた膝をゆっくり伸ばしながら、足先までピンと空に向かって上がったのである!
おめでとう、私。
ありがとう、私。
とりあえず、この事を忘れないために、記録しておく次第であります。合掌
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