『漆黒の闇で感じた恐怖。ドアが開かない！なぜ…？』

最初に違和感を感じたのは…
バスに乗っている時だった。

降りる予定のバス停が近づいて来た。
その時…

普段はスピードを上げる直線の道で
バスが徐行し始めたのだ。

おかしいな。
ふと、道路の前方を見ると…

えっ！
信号がついていなかった。

よく見ると…
街灯もついていない。

もしや…
嫌な予感がよぎりながらも、
降りるバス停に着いてしまった。

たった1人、
漆黒の闇に放り出される。

信号も街灯も家々の灯りもなにもない、
真っ暗闇。

うわっ。
怖い。

この一帯だけ、
完全な闇に包まれている。

停電だ…。
嫌な予感が確実になった。

阪神淡路大震災で被災した朝のことが
思い出される。
辛い思い出をかき消しながら歩く。

さっきまでゲリラ雷雨に襲われていたようで、
道のあちこちに水たまりが出来ていた。

稲光りで、
遠くの空は時折り金色に輝いている。

暗闇の中、
徐行しながら通る車のヘッドライトを頼りに
家にたどり着いた。

スマホの光を頼りに、
真っ暗な階段を上がり
ようやく玄関の前へ…

ところが！

玄関のとびらが開かない…(@_@)
ガーーーーーーンっ。

停電で表の扉は動かないのだ。

ひーーーっ！
ふたたび暗闇の中をさまよいながら、
裏のドアを手探りで探す。

冷たいドアに手が触れた。
カチャっ。
こちらは有り難いことにアナログだった。

おーっ！！
なんとか入ることが出来た(´；ω；`)

しかし、自分の部屋はまだまだ先。
真っ暗な階段を
スマホを懐中電灯替わりに
一歩一歩上がらなくてならなかった。

なんとか部屋に到着。
しかし家の中も真っ暗だった。
冷房もつかない。

暑いので何か飲みたいけれど…
冷蔵庫を開けると
一気に温度が上がってしまうので、
それは出来ない。

こんな時のために、
冷凍室に保冷剤をいっぱい入れてある。
停電が長く続くなら、それを利用するしかない。

まずは今出来ることを。

とりあえず
全ての部屋に異常がないか確かめていると…

ぽっ…
窓の外を見ると、
近くの家の窓に灯りがともった！！

おーーーーーーっ！
やったーーーーー（＾ω＾）
電気が戻って来た！！

束の間の暗闇時間に
別れを告げることが出来た！！

暗いというだけで恐怖におののいていたが、
あっという間に不安はかき消された。
明るいって、安心なのだ。

当たり前だと思っていた
電気の有難さ。
最近は忘れてしまっていたことに気づく。

停電になった時の避難経路や、
安全に歩ける道の確認。

普段から出来る備えは
少なくないことに気づいた貴重な夜になった。

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