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【日記】12月とともに去りゆく「夕顔楼」へ

 まだ10月のネタが残っているのですが、ぜひ12月中に綴っておきたいことがあったので、先に書きます。

 まだ暑い時節に、Xで味園みそのビル2階にある「夕顔楼」についてのポストがあった。そこに載せられていた、お店の写真に魅せられた。赤色の薄暗い灯りの中に浮かび上がる店内は、ゴシックというか、レトロというか、エキセントリックな世界。そして、本棚に本がギッシリ。何? これ! ステキ!! しかも、それが12月末で閉店になるという。
 そんなこんなで気になっていた「夕顔楼」に12月14日に初めて行ってきた。

 少し前、11月2日(土)~10日(日)に、大阪の北浜にある「10W gallery」で、「invitation夕顔楼へ」という写真展があった。 9人がこの夕顔楼をシチュエーションにした写真を寄せている。白い壁で明るいギャラリーなのだが、写真は人物が入っているものもあり、どれも退廃的で艶っぽく妖しげ。Xでツイートしていた葱山紫蘇子さんは維新派つながり同人誌つながりで知り合った人で、彼女も作品を発表していた。そして、ますます行きたくなった。

DM
写真展会場内
写真展会場内

 味園ビルは私が大阪で就職した昭和の時代からあった。大昔にそこで大人数の忘年会をした記憶がある。その味園ビルの2階には、足を踏み入れたことがなかったが、夕顔楼をはじめ、小さなバーや飲み屋がひしめいている。味園ビル自体が来年5月に解体されるので、2階のテナントも今年いっぱいで営業終了らしい。

味園ビル外観
外側についているスロープ

 行きたいと思っても、ひとりで行くにはちょっと怖じ気づいてしまうので、同じく維新派&同人誌つながりのもう1人といっしょに、何度も訪れている葱山さんに連れて行ってもらうことにした。申し訳ないが、ありがたい。
 19時開店なので、難波で腹ごしらえした後に向かう。予約はできないので、入れるかは行ってみないとわからないが、運良く帰る人が居て、入ることができた。店内は薄暗く、想ったより狭くて、10人ぐらいでいっぱいになる。店主が1人で営業している。メニューはなくて、ウイスキーやジン、リキュールなどいろいろな洋酒がある。銘柄には全く疎いので、観よう見まねでいただく。口数が少ない店主のようだが、「こういう感じのお酒」というと選んでくれるらしい。食べ物はきまった乾きもののおつまみだけ。静かに飲んでいる人もいるし、会話している人達もいる。
 入口の壁には本がギッシリあって、横置きにツン読になっていたり、二重に配架されていたり。画集や写真集、洋書もある。廃墟、幻想、頽廃、デカタンス、ゴシック、演劇……キーワードがいっぱい。やなぎみわさんの本や軍艦島や九龍城とか「私も持ってるよ」という本も何冊かあり、密かにほくそ笑む。蔵書は手に取ることができるが、必ず元の位置に戻すことが条件だ。でも、真剣に文字を読むには暗い。

夕顔楼入口
左リキュールストレート、右ジントニック

 先の写真展で、人物入りもいいけど、建物・室内だけの写真集があればいいなと思ったら、いっしょに行った葱山さんが企画編集して創っていた。「夕顔楼 photocollection」。現在、夕顔楼店頭で販売中だ。

写真集

 夜はBarの営業だが、昼間はイベントや撮影に貸し出すという。12月もいくつかイベントが広報されている。昼間はもっと室内は明るいらしい。
この異空間があとわずかなのは名残惜しい。

「夕顔楼」のnoteは、こちら。 https://note.com/yuugaorou
X・Instagram・facebookページ、ともにアカウントは @yuugaorou

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