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パラレルワールドの恋人

一昨日、昔むかーし、アメリカに留学をしていた時に短期間お付き合いした彼が出てくる夢を見ました。名はダニエル。25年前に、お互い大学生の時に知り合い、互いに一目惚れでお付き合いをしたもののすぐ交際を辞めた相手です。その彼は今でも細く永くずっと連絡を取り合っている。

その彼が夢の中にいました。私たちはお互い、大学生で、大学のある街の大きなストリートパーティに参加して、ブラジルのサンバともつかない変な踊りを踊っています。腰を振るのではなくて手を振る踊りでした。盆踊り風にずっとひたすら闇夜の中を踊り続けます。一緒に踊り歩くたくさんの人の中には、当時一緒に留学していた仲間たちの顔もちらほら見えます。行列にブラジル人の日系の女の子たちが参加し、一緒に楽しく夜の街を街灯の下踊り歌い話ながら賑やかな時間を過ごします。すごい人と熱気で夏の街はさらに暑いです。私より背の高い様々な人種の人が、私の周りを歩いていて、私の横にはダニエルが手をつないでいる。そこでダニエルが自分の夢を熱く話している。日系の女子たちはブラジル日系の人たちが開拓時どうやって稲作をしたかとか話している、そのうち、なぜか目の前に田んぼが現れて女子たちと一緒に田植えもしたりしながら、また踊り進む。風景は大学のあるカリフォルニアからブラジルの田舎道、いろんなところへ移るけれど、違和感なく、ただひたすら楽しく仲間達と踊り続けます。そこではダニエルと一緒にいることが自然になっている私がいました。

そこへ、長男が私を迎えに来た。
で、私は、家が、家庭がある事を伝えられるのだけれど、長男の事はなんとか覚えているのに、他の家族のメンバーはいるようないない様な、思い出そうとしても夢を思い出そうとしているような曖昧な記憶で、はっきりいえばまるで思い出せないわけです。

夫がいる、と言われても、実感は湧かず、思い出そうとしても名前も顔も思い出せないのです。息子に、「私が結婚しているの?」と聞き返したいけれど、息子を傷つけたくなくて聞けない。

心の中で私は思う。
『私にはダニエルがいるのに?。』
『夫がいるってどこに?いや、誰のどこの世界の話?』

そこで、目を覚ましました。

目を開けて、これは夢だと悟ったけれど、しかしショックだったのは、「噛み合わない」ながらも深く愛している夫の名前も顔も夢の中で思い出せなかった事。
もともと今の夫が夢に出てきたことは無いにだけれど、だとしても、毎日過ごす彼の存在すら思い出せない私がいることに驚いて、どの世界へ降り立ったのか?と目を覚ましてからも現在地確認のスイッチが入りませんでした。大事な小さい子供たちも3人記憶から完全に消えています。

夢から覚めてしばらく混乱していました。
そして、ダニエルはどこへ?とダニエルのいない感覚を味わい始めました。

ふと、先日読んだパラレルワールドについて思い出しました。

25年前、あの時交際を続けていたら、ダニエルとの現実が進んでいたのかな。

それで、新年の挨拶も兼ねてダニエルにメッセージを送てみました。

そしたらすぐに返事が来て、「いつも思っている。顔が見たい。」と。
あれ、この言葉。。。

ブラジル人でノリがよく、さらに混じり気無しのイタリア系で、カッコいいからとにかくモテる彼は、いつもこんな甘い事を言うんだ、誰にでもいうのだろう、、って私は思っていたけれど、
別れた後の25年間、彼はいつもこのメッセージをくれる。ずーっと毎年同じ事を言ってくれている事に今更ながら気づきました。
25年間。 お世辞でも嘘でも、こう思ってくれる人と出会ったことに感謝です。

今はどちらもアラフィフかあ。
別の世界で、彼との人生を歩んでいる私が居る事を実感として感じました。

夫も家族も大好き、だけど、もう一人の私は別の人生も楽しんでいるんだなって。モテモテの彼と一緒では女性関係で苦労するかな。慣れて肝が据わった私になるかも。

人生はご縁のある人と出会うと、感じます。
ダニエルとは、17年前、私が私たちが知り合った大学のある街を6年ぶりに観光がてら訪れた時に思わぬ再会をしました。
ダウンタウンのある飲食店のドアを開けた瞬間にばったり同じドアを同じ時に開けるかたちで遭遇しました。
彼は「ゴーストでも俺は見ているのか」と一言。しばらくお互いに言葉が出ませんでした。
その時、後から会う約束を取り付け、その時彼の書いた卒業課題のプロット(脚本)を読んでくれと渡されたのです。

ロバート・キャパ似の手の届かない様なハンサムな彼は、今でも独身さん。「隠し子も奥さんもたくさん出来るだろうと、彼の夢の映画プロデューサーはあの脳天気な正確では出来ないだろう、」と言っていた私も含めた学生時代の仲間たちの予想は外れ、彼は夢を追い続けて進み続けて、今は自分の映画を撮る仕事をしています。

この頃、過去世やカルマ、人とのご縁を考えてばかり。彼とのご縁はなんなんだろう。

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