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悟りの梅雨2020

相性は大切だ。
恋愛も仕事も友達も、人との関りの中で人生は作られていく。

若い頃の恋愛はといえば、外見重視で自分のことを好きになった人なら何とかなる的な、軽い考えとおごりで一緒になることが多かった。
どちらが頑張ったのか、そんな適当なお付き合いでもほとんど人と2年以上は続いた。
きっとほんの少しの相性を本能的に見つけてしがみ付いていたのだと思う。

その中でもお互いほぼ我慢という人もいて、その人との恋愛は激動といってもいい。
なんせ考え方が真逆で価値観がまったく違う。お互い合わせるのに疲れて後半は壮絶なケンカが絶えない日々だったが、体の相性だけは良くて仲直りしてはイチャイチャの繰り返し。まるでDV夫婦のような惰性の2年半だった。

仕事でも、気は合うがタイミングが合わない人や、いい仕事はするけど尊敬できない人。現場の人たちはとってもいいのにトップの考え方が合わない。などあり一人で正面からぶつかっていくこともあった。今は疲れたので心を無にして働いている。

恋愛でも仕事でも、ぶつかって負傷してやっと本質が見えてくるものだ。

我慢は必ず爆発し傷を負うが、同時に沢山の学びをくれた。
世の中には多種多様な人と考え方が本当にたくさん存在するんだな、とある時から不満が感謝に変わった。

かくいう私も、第三者から見ればきっと「やりにくい人」と見えているに違いない。

そんな人や組織、自分自身にも疲れたので、私はいよいよ会社を辞めようと思っている。
少し身の回りを整理しようと思ったのである。
相性が合わない人との共同作業ほど苦しいことはない。
だから、自分主体で動ける仕事をしようと、会社を立ち上げることを決めた。もちろんやりたいことが出来たから辞めるのであって、嫌になって辞めるわけではない。あくまでも相性が合わないのはきっかけにすぎない。

立ち上げる会社はこの「相性」を扱う仕事だ。

コロナ禍で新しい生活様式が始まり、社会生活にも変化が求められるこれからの時代、必ず多くの需要があると信じている。


相性といえば、大手電機メーカーの品とも相性が悪い。
父親が務めていた会社だったから物心ついた頃から家の電化製品は全てそのメーカーで揃えられていて何の問題もなく使っていた。
ところが、高校生になりアルバイトで貯めたお金で、父親の会社のウォークマン(年齢ばれちゃう)を買ったとき二日で壊れた。すぐにメーカーに交換してもらい無事使うことが出来たが、自分で購入するその会社の製品はことごとく壊れる。
それを決定づける出来事がエアコンである。
購入して3年で室内機から水が垂れてきた。室外機の排出ホースを掃除してもやっぱり垂れてくる。毎回水が垂れてくる訳じゃなかったが、今年になりほぼ毎回水が出る。エアコン掃除屋に依頼してもダメだった。
購入から9年。
寿命といえば寿命なのかもしれないが、相性のいい家電は20年使っても壊れない。

大手電機メーカー製品との相性の悪さを浮き彫りにする2020年の梅雨に、私はまた一つ悟りを開いたのである。

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