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小さな夢を叶えた話

押しも押されぬ中年になった。
ストーカーに襲われそうになったとき、別のストーカーが助けてくれたという武勇伝(?)も今や昔。
長かったモテ期を終え、見事おばさんになった私は、人生の残り時間をどう充実させるかに興味がある。
思わぬ訃報などに触れる機会も増え、「やりたいのに先延ばしにしていることを何とかしたい!」と強く思うようになり、小さな夢だけど、憧れていたアレをやってきたぞ。


なぜ今までやれなかったのか

今回、私が叶えたのは「温泉の後に、腰に手を当ててコーヒー牛乳を飲む」というやつである。

夢を叶える5秒前の笑顔!

子どもの頃、コーヒー牛乳を「いいなぁ」と思っていた。
大人になって、コーヒー牛乳を気楽に買える身分になってもできなかったのは、私が乳糖不耐症だからである。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするので少ししか飲めない。
それと、甘い飲み物は苦手。

でも、ずっと憧れていたのだ。
湯上りのコーヒー牛乳に!

なぜ今、挑戦したのか

先日、会社の事務所を移転した。
新しい事務所で荷物をほどいていたら、これが出てきたのだ。

父の日に渡そうと買っておいたカード

ビールの形で、押すとビールを注ぐ音の出るカード。
おもしろグッズが大好きな父に、父の日のプレゼントと一緒に渡そうと思って買っておいたのだ。

でも、父の日に渡すのを忘れ「来年渡そう!」と思って、しまっておいた。
そうこうするうちに父は亡くなってしまったのだ。

目頭が熱くなった。
ビールの音を出すボタンを押したら、電池切れだったのか、なんの音も鳴らなくなっていた。

「後でやろう」はダメなんだ。
今やらなければ!!
親孝行はもちろん、自分のやりたいことも。

かくして、小さな夢から手をつけることにした。

夢を叶えた感想

残念だったのは、牛乳のフタを開けるアレ(針みたいなやつ)がなかったことだ。やってみたかったのだが、フタは紙からプラスチックに変更されていた。
友達には「牛乳瓶が紙パックに駆逐された後でなくてよかったね」と言われたが、その通りだと思う。

そして、コーヒー牛乳を飲んでみた感想は……

笑顔を作ろうとするも目が笑えてない

衝撃でした。
一生に一回のチャレンジだが、このあたりでギブアップ。
残りは同伴者が美味しくいただいた。

想像でしかなかったコーヒー牛乳の味が、どのくらいの衝撃かと言うと。
始めてMAXコーヒーを飲んだときの衝撃だろうか。

真夏の喉が渇いているときに、小銭が100円しかないのに、友達がイタズラで自販機ボタンを押して出てきたMAXコーヒー。

千葉・茨城・栃木の人にしかわかってもらえない、その衝撃を説明するなら。与謝野晶子でも「君死にたまえ」と詠むレベルというやつだ。
「何をしてくれてるんだ」と友達への怒りがふつふつと湧くくらい、とにかく甘いのだ。

あの日の衝撃が昨日のことのように蘇ったよ!

夢は次の夢に続く!

負け惜しみではなく、体験自体は大満足で、経験としてやってみたかったことを叶えられた喜びは、なかなかのものだった。
こんな小さなことで、こんな気持ちになれるのか。なんだか感慨深い。

「夢を叶えてみた」という小さな成功体験のおかげで、まだやれていない諸々にも踏み切れそうである。

健康で、元気でいられる時間は有限。そのうち親の介護も本格化する。
やりたいことは今やろうと誓いを新たにした。
皆さんも、やりたいことは是非、今のうちに!



ワインとコーヒーを燃料にして生きています。「一杯ご馳走してあげてもいいかな」と思ってくれたら嬉しい。大好きなコーヒー豆もしくはワインを購入する費用に充てて、また元気に執筆します♡