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酒徒への嬉しい知らせが。

冬の初め、甥っ子夫婦が長野にやって来た。
旬の新蕎麦詣でに来たのだった。着いた日の夜は、長野駅前の
飲み屋で杯を交わし、翌日の昼どき、善光寺仲見世の蕎麦屋、
「丸清」におじゃまして、ロースかつをつまみにエビスを
飲んで、新蕎麦で締めた。
夕方どき、町なかの温泉施設、権堂温泉の柔らかな湯に浸かり、
体を温めたら、権堂アーケードの蕎麦居酒屋、「二本松」に
おじゃました。
この店に来るのはずいぶん久しぶりだけれど、御主人は相変わらず
にこにこと感じが好く、アルバイトの学生も、皆きびきびと動き
回っていて気持ちが好い。料理を突っつきながら蕎麦焼酎の
蕎麦湯割りの杯を重ねて、新蕎麦で締めたのだった。
翌日の昼どきには、自宅から西へ300mの場所に在る、「戸隠つきや」
におじゃました。
あれこれ長野の地酒の杯を重ね、戸隠の新蕎麦で締めた。
二泊三日の間、よく蕎麦屋で飲んだことだった。
日を置いた十二月中旬、西の街に暮らす友だちからメールが届く。
本日、松本に行く予定です。よければ一献をとのお誘いだった。
特急しなのに飛び乗って松本に着いたら、気に入りの、四柱神社の
そばに在る居酒屋、「深酒」に予約を入れて、日の沈むころに
落ち合って、旨い肴で久しぶりの杯を交わし、おおいに酔ったのだった。
そんなふうに酔っ払って、すっかり飲み疲れていたら、嬉しいニュースが
飛び込んできた。
このたびユネスコの無形文化遺産に、日本の酒造りが選ばれたという。
親しいお蔵さんから、米の出来具合や気候の様子に予期せぬことがあったり、過労による体調不良に見舞われたり、これまで何度も造りの苦労話を
うかがっていた。
旨い味を醸すために努力を重ねる、お蔵さんがたの真摯な
姿勢が世界に認められたかと思うと、酒好きの身も嬉しくなった。
国内での日本酒の出荷量は減っているものの、海外への出荷量は
増えていて、地元長野でも、海外に輸出をしているお蔵さんがある。
和食だけでなく、フレンチやイタリアンに合う味も増えている。
身近でも、善光寺へ観光に来た外国人が、夜ともなれば繁華街の飲み屋に
陣取って、日本酒をがばがばやっている姿が今や当たり前の光景になって
いる。
旨い酒をたくさん飲んで、旅の好い思い出になればと眺めている。
今年もあとわずか。飲みすぎた一年の反省をしながら締めの酒を酌むことと
する。

飲み疲れ重ね重ねて師走かな。




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