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オランダの学校教育の特徴(15) <義務教期間は学校に通わせなければ罰金?!>

前回の記事で、オランダの一般的な小学校の義務教育は5歳から始まる。ということについて書きました。

オランダの学校教育の特徴(13) <義務教育は5歳から>
https://note.com/naom_27/n/n0d2a4209bd13

オランダでは、義務教育期間に子どもを学校に通わせない場合、罰金を支払わないといけないことがあります。
明確に「いくら支払わないといけない」という文面を見つけることは出来なかったのですが(恐らく家庭の事情によっても異なるかと思います)、オランダに住んでいる以上、学校登録を行わず、子どもを学校に通わせないという選択肢はありません。

「私はオランダ国籍ではないので、放っておいてよ」
と言えそうな気もするのですが、
実はオランダの憲法には「オランダ国民」と定義づけるのではなく、
「オランダに住んでいる人々」と定義づけている条文も多く、子どもの教育に関しては国籍問わず、オランダに住んでいるのであればそうしなさい!という意味の条文も多いため、逃げ道はありません。

また、義務教育期間の平常授業日において、国から認められる理由なしに長期間休むことも罰金の対象となります。

体調不良や入院はもちろん例外ですが、
「オフシーズンに家族でスキーに行こう!」とか、
「急に安い航空券が出たから、来週あたりちょっと旅行に行こうか」など、
身勝手な家庭の事情における「学校欠席」は罰金の対象となります。

過去には、平常授業が行われている期間に家族でスキー旅行に出かけ、その様子をSNSにアップしていた家族が、別の家族から密告され、€400の罰金を支払った。という事例もあるそうです。その際、家族は学校に「体調不良」と伝えていたため、これは明らかに罰金対象と判断されました。

Family fined after ski holiday pics give away holiday
https://www.dutchnews.nl/news/2016/03/86255-2/

オランダでは政府から認められている"school holidays"がありますが、

School holidays in Netherlands 2020-2021
https://bit.ly/2BGyunW

これ以外の日に、自己都合で学校を欠席することは認められていません。

また、新学期開始(9月当初)の最初の2週間は、多くの学校において欠席することが認められていないようです。(もちろん例外はあると思いますが)
これは、子どもたちが最初の2週間、落ち着いて学校生活を始められるようにするための配慮かと思います。

しかし、欠席理由にもちろん例外はあります;
・保護者の仕事の事情による欠席
・家庭の事情による欠席(冠婚葬祭/引越し など)
・宗教的な行事による欠席

それぞれ、事情によって認められる欠席日数は異なるようですが、保護者が学校側に説得力を持って話をできるかどうかも大きく関わるようです。

学校に欠席を認めてもらうためには正式な書類が必要となるため、少なくとも8週間前には学校に申し出を行い、欠席許可をもらうことが通例です。
学校は内容に目を通した上で印を押し、許可証は正式なものとなります。
その許可証は子どもを連れる時に携帯することが求められ、空港や鉄道において提示を求められます。

そして、その紙を持っていない場合は、なんと€100/日の罰金!
出廷を命じられることもあるそうです。

他にも目を通してみれば、細かい取り決めも多く、
事情によっての日数の違いなども見受けられます。

それもこれも、全ては学校教育を公平、かつ平等に行うため。
ある記事では、

「これらの規則に柔軟性を感じない場合は、インターなどの学校を検討してみると良いかもしれません!」

と書かれていました。

公教育は全ての人々にとってのもの。
この制度からも、オランダはそのように捉えているということがわかります。






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