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2/18 麹町中学校視察③

工藤先生がお話される話の中に、

「当事者意識を持つ」

という言葉がたくさんあります。

「誰かのせいにしない生き方を教える」ということだと工藤先生はおっしゃっていました。

しかしこれは、"自己責任"とは異なります。
「そんな風になったのは自業自得だ」というような考え方とは違います。

社会にある様々な問題を、自分ごとのように考えることで、それを解決するために今の自分はどういった行動をとっていくのか。ということを常々考える人間を輩出する。ということだと私は理解しました。

そして、当事者意識を持った人間は、人を排除しなくなる。
と、いうことなのです。

相手の気持ちや立場を、自分ごとのように考えられたら、人は人に優しくなれる。
そうやって、仲間の在り方をデザインし、社会の在り方をデザインしていこう。ということかもしれません。

最上位目標にブレがなければ、
当事者意識があれば、
その目標に向かって共に走ることができる。これがチームプレーだと。

そうやって、これまでの学校の疑うべき"当たり前"を数百個洗い出し、一つひとつ上位目標に照らし合わせて、対話をし続けてきたのだ。と工藤先生はおっしゃっていました。

余談ですが、麹町中学校はかつて校則の厳しい学校だったそうです。
生徒のスカートの長さを計るために、膝を床につかせ、スカートが浮いている(短い)生徒を指導する。

工藤校長がこの麹町中学校に赴任する前からいらっしゃる先生も登壇されて、いかに自分の教育観が変わったか。ということをお話されていました。

また、他府県からこの中学校の教育を学ぶために、様々な制度を使って赴任されている先生もいらっしゃいました。

今ではサクセスストーリーにように聞こえますが、
ここに至るまでの教職員間での出来事や、
生徒からの反発、
保護者からの苦情に対応してきたこと、
恐らく想像を絶する数の出来事があったと思います。

そういった問題に立ち向かうために、
工藤先生はあらゆる本を読み、
日本だけでなく、世界にも視野を広げ、
とにかく誰とでも対話をしてきたそうです。

「全ては世界平和のために」
「学校が変われば社会は変わる。僕は最初に変わるべきは学校だと思っています」

工藤先生のお話を聞きながら、私のラップトップのメモは3ページ、4ページを進んでいました。
こんなに愛に溢れた校長先生に出会えたことが、何よりの喜びで、何一つ聞き逃したくない。と思っていました。

noteには全てを書ききることはできないのですが、この日の学校視察会は12:30頃から始まり、最後の質疑応答が終了したのが19:30だったと記憶しています。もちろん私は最後までいました。

日本の学校の先生が、どんな悩みを持ち、
どういったアドバイスを求めているのか、
そして、それに工藤先生がどう応じるのか。

最初から最後までずっと見ていたかったのです。

「質問がある限り続けたい」

そう言って、熱く、でも冷静に話をしてくださった工藤先生。

最後の挨拶で、「では、また今度個別でお会いしましょう」と話をしたのですが、結果的に個別でお会いすることは出来ませんでした。

お互いに予定の調整に務めたのですが、
それ以降コロナウイルスの影響で学校が休校になり、
私も帰国の時期になり...

それでも、
「また連絡をください。何か一緒にできるといいですね」
と、連絡先を教えてくださった先生。

この御恩を一生忘れず、今後も工藤先生と繋がっていけたら。と思っています。



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三島菜央<🇳🇱オランダ在住/元高等学校教諭>
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