医師、歯科医師への道22
医療において予防の大切さを申し上げた。
歯科医の多くが感じている事の一つに、虫歯の少ない方は、歯周病に罹りやすい易いイメージがある点だ。
小さい頃から歯が丈夫で、ビールの栓でも歯で抜けると言った、いい歯自慢の方が50、60歳位から歯がぐらつき初め、あっと言う間に入れ歯になると言うパターンだ。
原因は、2つ考えられる。
一つは、虫歯菌と歯周病菌は全く違う菌なので、虫歯にはならないが、歯周病にはなりやすいと言うパターン。
勿論、歯そのものが丈夫で少々虫歯菌が酸を作っても溶けない=虫歯にならない方もおられる。
もう一つの原因は、歯が丈夫で虫歯にならない方は、歯科の受診機会がなく、口腔ケアを受ける機会がない事だ。
虫歯の治療に行ったのに、歯垢や歯石の除去、歯磨き指導を受けた経験のある方も多いのでは?
定期健診や口腔ケアと言った予防が、虫歯や歯周病を防ぐ上で最も大切なのだ。
歯科疾患に限らず、およそ病気の多くは予防が可能であり、病気になってからの苦痛やコストを考えると予防にかかる苦痛やコストは遥かに少ない。
近年、医療費の増加が社会問題となっている。
先進医療で、以前は治らなかった病気が治るようになり、コスト増はやむを得ない側面はあるが、国民がもっと予防に気をつければ、医療費は激減するだろう。