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自分の重み

皆さんは、自分の重みを感じたことがありますか?いえいえ、体重が軽い重いの話じゃないです。自分という人間の実質の重みです。

『私、今まで自分というものを軽んじてたわ。』『軽んじてるなとは思ってたけど、ここまでとは思わなかった。』ある生徒さんが、レッスンを終えた後におっしゃいました。彼女の体はいつもと比べてどっしり重みがあり、声は深く、体の芯を突き抜けています。Substance (実質)がぎっしり詰まっていて、信頼してなんでも任せられる、腹を割った話をしてみたくなるようなエネルギーを醸し出しています。

自分の体の重み。普段、感じたことがない人はたくさんいると思います。痩せた身体を目指してダイエットをしている人や、療養生活で体重を増やそうをしている人、アスリートなども含めて、体重計で示される数字に一気一憂することはあっても、普段の生活で「自分の体の重み」をじっと感じてみることがないのは、なぜでしょう?

多くの人は、自分の大きさや重みに意識を向けることを、止めてしまっています。ほとんどの人のセルフイメージが本当の自分よりも小さいのは、以前にお話した通りですが、小さいと感じると、呼吸を浅くし、筋肉を固めて縮こまっているので(場所をとりたくない)重みは感じられない。または、小さいと感じるので、その反対に自分を大きく見せようとする人もいる。そうすると、胸を張りすぎたり、筋肉を硬くしたりしてしまうので、やはり自分の重みが感じられない。

自分の重みを感じること=自分という人間の凝縮度、実質を意識することで、その過程では、自分の中に深く入り込むことになります。また、自分という人間の実質を受け入れると、それに伴う責任も受け入れなければなりません。

自分に向かう過程の中で、心身の動きを探求していくと、体は生命体の自然な姿を現し始め、心にも変化が起こってきます。自分という人間の中に眠っていた様々な要素が滲み出てきて、広がっていく。中から外へと押し出し始める。今まで抑え込んでいたものが一気に出てくる。強烈な感覚です。自分はこんなじゃなかったはずだと、記憶の中のセルフイメージが語りかけます。「今の現実」と「今までのイメージ」の間には葛藤が生まれるかもしれません。そのためか、どっしりとした自分の体の重みを感じる時、「身体が重いです」と暗い声でいう人もいます。でも、「重いのは嫌だ」で終わってしまうのは、あまりにももったいないです。やっと、自分の本当の重み=自分の価値を感じることができたのですから。


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