宝塚『ホテルスヴィッツラハウス』に出て来るバレエのお話し~1~
東京公演もあとわずかになってしまった『ホテルスヴィッツラハウス』。
バレエ・リュス作品やバレエ・リュスへのオマージュ、リスペクトが沢山で研究家としては嬉しい限りです。
宝塚は歴史的にも実はバレエとは深い関係がありますし、今回の作品でバレエ・リュスへの関心をもって下さる方が一人でも増えたらと願っています。
そんな作品に登場した作品について少しご紹介。
『シェエラザード』はバレエ・リュスによってパリ・オペラ座で1910年に初演された作品。ニジンスキーの躍動的な身体と高い跳躍が注目を集め、この作品によって彼の人気が不動のものとなった重要な作品でもあります。
また、この作品はバレエ・リュスが1929年に解散した後も ”典型的なバレエ・リュス作品" として上演され続けました。
音楽はリムスキー・コルサコフ。ロシア5人組と言われた重要な作曲家の一人です。
個人的にこの音楽は何かがんばるぞ! 書き上げるぞ!と言う時にBGMにすることも多い何だか気分を高揚させてくれる旋律です。
この中でニーナが踊ったゾベイダ、とそれを初演したイダ・ルビンシュテインについては以前こちらのnoteでもご紹介していますのでよろしければどうぞ。
左下が宦官長、宝塚に合わせて、でも衣裳のイメージが継承されているのはさすがだなぁと思いました。
ゾベイダの衣裳は左上、これもイメージがぴったりで想像していた以上に再現度が高いものでした。金の奴隷の役でゾベイダとのダンスが多いニジンスキーが初演した約は下段中央のもの。これもイメージを踏襲しながら宝塚で映えるようにした衣裳になるほどと思って見ていました。
また実際の美術はこんなでしたが、これも上部のドレープが作られた美術で象徴的に表現されていましたね。
この鮮やかな色彩は当時の観客を虜にしましたし、衣裳がファッションとしても流行りました。
そんな『シェエラザード』の世界が宝塚の作品の中でも生きていましたね。
今回はここまで。
また少しご紹介していかれたらと思っています。